私の恋に勇気をっ！５ (ページ2)

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「ほら、A泣かないのっ」

貴方「だって皆……」

「Aには私がいるでしょ！」

学年が上がる度、私への虐めはエスカレートしていった。

時々、私の近くにいて幼なじみも虐められてるのではないかと
心配になったりもしたが

幼なじみは顔一つも変えずに私のために笑ってくれていた。

大丈夫だ。

そう思いこんでいた私は愚かだった。

虐められている奴の近くにいる者は虐められない訳がない。

そう思い知らされたのは六年生の頃だ。

酷い傷を身体中につけて、机には彫刻刀で彫られた文字。

「死ね」

虐めを代表する言葉だ。

机だけではなかった。
幼なじみの身につけているものや、物。

全てに消えないようにペンとか、彫刻刀で刻まれていたのだ。

私のせいで……！

そう思って、放課後幼なじみと二人きりになって何度も謝った。

首が折れるかと思うくらい頭を下げて。

何回目だろうと思い始めた頃だった。

幼なじみが窓のカーテンを掴んで言った。

「もういいんだよ、A」

貴方「え……？」

「……死ねば」

「死ねばどうにかなるでしょう？」

不自然に笑ってカーテンを思いっ切り引っ張った。

ブチブチと音を立て、カーテンは崩れ落ちる。

貴方「何……言ってるの？」

「だって皆、死んでほしいんでしょう？
だから死んで、終わりにしよう。

私が死んだら、もうAを虐めない。
そう言ったんだ」

貴方「何言ってるの!?冗談言わないでよ!!

死ぬとか簡単に言う言葉じゃない!!」

「……もう大丈夫なんだよ、A」

「Aはもう辛い想いはしない」

「だから」

「私は死ぬね」

「私、Aの親友だからね」

窓の冊子に乗る。

「Aのヒーローに、なれたかな」

貴方「何する気……!!」

幼なじみは、精一杯の作り笑いを見せると

窓の外へ飛び出した。

此処は六年生の教室だよ？

そんな高さ……

貴方「イヤアアアアア!!!」