《藤＋北》が、くっついた！？ ２ … ベトベト編

ベトベトな二人 … １０ ページ10

「うん…」
「そか、まあ藤ヶ谷の事だからちゃんとしてると思うけどな…」…って笑ってた

ちゃんとしてるよ…仕事はな…
でも…

それからスタッフさんを含めての打ち合わが始まった、今回はニカ千がメインで構成を考えてくれることになっていた

「キタガヤタマヨコミヤは、ドーンと安心して仕事してきてー！」
「ニカセンがバッチリお引き受けしますー」

その早口言葉的なの、お前ら時々カミッカミだから！ｗｗｗ

「藤北曲はどんな感じなの？」

その言葉に、オレと北山が同時に固まった

「まだ…決めてないかな…」と北山が答えた
「え、まだ？曲貰ったのって、結構前だよ」

他意のない何気ない言葉…
だからこそ、オレの中には罪悪感に似た思いが湧く

「うん…そうだな…ちゃんと決める」

北山も言いようが無いんだろう、その後の宮田とスタッフさんのフォローを、もはやオレは聞き流すしかなかった


「ではまた、次の打ち合わせでお会いしましょう」

出ていくスタッフとメンバー…少し早いけどオレも…と行きかけた時「藤ヶ谷」と、声がした

「時間あるんだろ、打ち合わせ少しでも進めとこ、ぼちぼちタイムリミットだ」

黒い瞳は、オレに有無を言わせない強い意思を含んでいた、逃げ場なんてあるわけないし拒否権も行使できないトコまで来てる

「…了解…」

そのままドサッとパイプ椅子に、重苦しい気持ちとカラダを一緒に預けた

ふてぶてしい…今のオレ、多分その言葉がピッタリだろう

「お前もオレも会える時間限られてんだから、集中しようぜ」
「分かってるよ…」
「分かってんならよろしい！…ﾌﾌ…」

そう言って、北山はプレイヤーに落としたデモ演奏を流した

ガイドボーカルの歌詞が、オレの邪な想いを剥き出しにさせる、向かい合って座ってる北山の目は《REAL ME》だけを見ている…きっとその目にオレは写っていない

この先もずっと…そう思うと、やたら虚しくなった

「…オレ帰っていい？」
「は？おま何言ってんだ？まだなんも決まってねぇじゃん」
「…テキトー決めてよ、FIREみたくでいいっしょ、あーロッキンまで行けばもっといいんじゃね」

「藤ヶ谷…？」

オレの投げやりな態度に、北山の眉がみるみる吊り上がる

「オマエん中では藤北は、背中合わせがテッパンなんだろ、だからお前は今もこれからもオレを見ない、《REAL ME》…なら、ありのままの藤北見せりゃいいだろ！」


「いい加減にしろよっ！オレそんなこと言ってねぇだろっ！」

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