淡雪恋蕾 … １２６ ページ37
不意にリビングのドアが開き、驚いた宏光とオレの視線の先には、柊羽が頼りなく立ち竦んでいた
「柊羽…どした？」
宏光の声掛けには殆ど反応せず、視線すら合わせない柊羽…、柊羽の目は真っ直ぐオレだけに向けられていた
「だって、起きたらいないから…」
「寝るまでは傍にいるって約束だっただろ？」
「なら寝るから傍にいてよ！」
つかつかと近づいてくると、オレの袖をキュッと握った
今にも泣き出しそうな顔で見つめてくる
困ったな、まるで駄々っ子だ…
どうしたものか…と考えてると、オレよりも先に宏光が口を開いた
「太輔、部屋に戻って柊羽寝かせてやって…ムリするとまた熱が上がるかもしれないから、…柊羽も、そんな薄着じゃまた熱上がるから…」
部屋着の長Ｔの上に自分の着ていたニットパーカーを着せかけようとすると、勢いその手が撥ねつけられパーカーが床に落ちた
「柊羽っ！」
「この人はイヤだ！太輔じゃなきゃヤダっ！」
「お前いい加減に…っ」
思わず荒くなる口調を、宏光が目線で抑えてきた
「入試も迫ってきてる、早く体調戻さないとな…太輔、柊羽部屋に連れて行ってくれ…」
怒るでも責めるでも無く、いつもと同じ優しい微笑みを柊羽に向ける宏光…その心中を推し量りながら、オレは柊羽を部屋に連れて戻った
「大丈夫…ココにいるから…」
ベッドに入った柊羽の頭を撫でながら、落ち着かせるように言って聞かせる
けど、瞼を閉じる気配を柊羽は見せない、オレの心を追うような視線を向けてきた
「何でそんな顔する？」
「…隣に寝てよ…、一緒に寝て？」
伸ばされた手が、そのままの位置で止まる…
「柊羽…」
「一緒がいい…」
「柊羽、あのな…」
言いかけた言葉を、オレは音に変えることなく呑み込んだ
何となく…宏光の言った意味が分かるような気がした
《はぐらかしたり誤魔化すコトが、一番柊羽を傷付ける…》
「いいよ…」
そのままオレは布団には入らずベッドに寝転んだ、オレのしてやれる限界ギリギリのライン
「これでいいか？」
柊羽の方にカラダを向け、頬杖付いて上半身起き上がった状態で聞くと、表情曇らせたけど小さく頷いた
擦り寄せる様にくっついてくる柊羽…その背中に手を添え子ども寝かせる時みたいにトントン…と叩いてやった
「…太輔、好きだよ…」
「オレもお前好きだよ…けど、ゴメンな、もうオレ…キセキ、起こしちまったんだ…」
「キセキ…？」
「そうだ、出逢わなきゃいけない人に出逢えた…奇跡…」
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GAYASAKURA(プロフ) - tryさん» ドキドキ展開になってるといいのですが、宜しければまた感想などお聞かせくださいませ！コメ大感謝です！ (2018年3月25日 23時) (
レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - tryさん» こんばんは！コメ返遅くなり申し訳ございません！こちらこそ、大量アップを目にして下さり感謝申し上げます！そして、安定の移行となりました！今回は旦那は出張中なので、とりあえず最強のラスボスにオファー致しましたｗ気に入ってくださると嬉しいです、 (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 宜しければお待ちしております！コメ大感謝です！ (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは！コメありがとうございます！コメ返遅くなり申し訳ございません、はい、閻魔的ラスボス降臨です、この方も色々悲しみを抱えて生きています、不器用ながらも息子の太輔を愛していることをお伝えできればなぁと思います、移行となりましたがコチラも (2018年3月25日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
try(プロフ) - 大量更新ありがとうございます(／▽＼) 姐さん強し…されど、閻魔様やばし…ですねΣ(ﾟ□ﾟ;) 姐さんの覚悟に、太輔さんかと思いきやの…閻魔様。 毎回ﾄﾞｷﾄﾞｷの展開で、楽しみでたまりません( ´艸｀) (2018年3月25日 15時) (携帯から) (レス) id: 9d1b77fd6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2018年3月7日 23時
