藤北協奏曲…利家とみつ？ ２

MJK？… ７６ ページ33

「なら、オレ達からも二人にプレゼントしようかな？」

北山がいたずらっぽい笑顔を浮かべ、オレを見た、え？プレゼントなんて用意してませんが？

どうしよ…、北山の意図が分かんない

ガン見のオレにフフって笑うと、リビングに置いてあるギターを手に取った

「今日はギター1本しかねぇから、藤ヶ谷メインボーカルな！？」

床に胡座をかき、膝にギターを乗せると北山は最初のコードを奏でた、そのフレーズ…チラリと目線を送ってくる北山に、オレも頷いてみせた

調弦しながら、コードを何度か奏でるとどちらからともなくアイコンタクトを交わす

北山がギターの前板を軽く叩いてカウントを取り、最初のフレーズを口ずさむ…オレと北山の時間もその瞬間戻った様に思えた


……そうだな…、その歌は、どれほどの時を経ても《たったひとつの恋》を守り抜いた二人への祝福…

繋がれた手は、その絆の《証》…


〜♪。.:＊・゜

今もこんなに…僕を埋め尽くしている……



…この歌は、何年経っても文字として思い出すというより、想いがそのまま溢れ出る歌詞だ…この歌を北山と一緒に完成させた…

歌詞に見える景色は、北山と見果てぬ夢を語り合った日々の原風景だった…

…それはきっと《利家とみつ姫 》も同じだろう…

手を携えオレ達を見てる二人…同じ顔をしていてもオレと北山とは違う繋がりをしてる《利家とみつ姫》…


共に過ごした時間…恋は愛になり…やがて絆へと変わる…、抱きしめた時間の長さだけ、二人の絆は強くなる…



忘れてない…
悔し涙を何度も何度も流した日々…

《約束な！…例えこの時代で夢が叶わなかったとしても、絶対に来世でもオレたちは一緒だ… 絶対お前を見つけるから、ちゃんと待っとけよ》


差し出された小指に、自分のを巻き付けた


交わしたその約束は、オレの未来への道標だった



いつだってオレよりもずっと先を見ている北山…
なあ、お前覚えてるか？…


いつか、共に突っ走って来た日々を振り返って、オレを見てくれる日が来るんだろうか…




その日まで…


好きでいていいよな…────

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