藤北協奏曲…利家とみつ？ ２

MJK？… ７３ ページ30

そして、オレら４人は北山の家に戻って来た

みつ姫の着物が北山の家にあるからなんだけど、オレが北山の家に来るのっていつぶりだっけ？思い出すことも出来ない程、前だったのかな…

ふーん、思ったよかキレイにしてんな…てかオレんちより物が少ない…なんて思ってたら

「着替えてきますね」

そう言って着物を持って奥の部屋に向かうみつ姫の後を利家がついて行こうとするから

「おま、何やってんの！？」って慌てて北山が利家の腕引っ掴んだ

「いや、某も着替えを…」
「バカかよっ！まだお前の嫁じゃねぇだろっ！同じ部屋で着替えなんかさせられるかってぇの！」
「別にもう良いのではないか？心は何百年も前から夫婦なのだし！」
「アホかッ！！祝言まで花嫁とは面会謝絶っ！」

…って、北山まるで保護者だなw
でも、そんな二人の掛け合いを見てると、何となく随分昔のオレと北山を思い出した

こんな風に何の蟠りも無く言葉を交わして、視線を絡ませて…笑いあって…

「お前はココで着替えんの！ほら！」って、預かってた着物一式渡すと、渋々その場で着替え始めた

着ていたTシャツとタンクを脱ぐと、その背中にオレは驚いた

「と、利家！お前、火傷の痕が消えてるっっ！」

肩から腰に掛けて残っていた痛々しい火傷がキレイさっぱり消えていた、どゆこと？

「真か？、み、見えぬな…んっ、よっと…」

一生懸命首捻って背中見ようとするけど、人体構造上ソレってムリだから！

「ほら、見せてやるよ」って、オレはケータイで背中を写メって利家に見せた

「おお！消えておる…不思議なこともあるものだな、なぜだ？」
二人で《？？ 》を盛大に頭上に浮かべていると北山がふと言葉を漏らした

「…あるべき姿に戻ったからじゃないか？」
「あるべき姿？」

「そう…迷ったり不安になったりしても、お前は今日までただひたすらみつ姫を探し求めていた…、体に付いた傷はお前がみつ姫を忘れない為の《 証》だったんだろ…」

「《証》…？」

「願いは叶った…お前とみつ姫はもう離れることは無い…その《証》は役目を終えたから、消えたんじゃないか？」

「みつ殿…」

「良かったな…ホントに、良かった」

噛み締めるように言葉を漏らす北山…


オレの好きな北山が、そこにいた…


「…あの…」

控えめな声がしてリビングのドアが開き、白いワンピースから淡い生成色の着物を纏ったみつ姫が入ってきた

「みつ姫…その打掛けは…」
「はい、利家様が下さった輿入れの着物です…」

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