41話 ページ44
翌日…北山はいつも通り登校してきた
変わらない人懐こい笑顔…
甘さを含んだ少しだけ鼻にかかる声…
まん丸い瞳は、楽しいコト好きな北山をそのまま投影してる
だけど、そのどれもがオレを捉えるとスッとそのナリを潜めてしまう…
伏し目がちにすれ違う視線…キュッと引き結ばれる唇…陰り見せる瞳…
そのどれもが、北山のオレへの蟠りが根深いものであることをまざまざと見せつけてくる…
仕方ない…自らが招いた結果なんだ…
北山の求める優しさは、玉森が満たしてやれるんだ…
オレじゃ…ない…
課題の答え合わせでもしてるのか、北山の机のすぐ側にイスを寄せ、教科書見ながら説明してる玉森、顔を寄せあって…コッチから見てると今にも頬にキスでもしそうな近距離…
「…あ〜あ〜拗らせてんなぁ…」
不意に声がして、横に顔を向けるとキス寸前の距離にある渉の顔!
「ギャおっ!バカ近すぎんだってッッ!」
驚きまくって咄嗟に大声出して、思わず上半身仰け反らせた、その声にクラスの目がオレらに集中する
その中にはもちろん北山と玉森も…
「アッハッハ、太輔マジ今の顔ヤバいって」
「るっせっ!ふざけんなっ」
目の端で北山の視線を感じつつ、オレは焦りまくって渉を睨みつけた
でも、オレの渾身の目力なんか渉はかるーく受け流し、口許にニヤニヤ笑いを含ませてのんびり目線でオレを見てきた
「…素直になったら?」
全部分かってるよ…て表情…
「もぉ遅せぇよ…」
「ん?」
「…手、届かねぇトコ行っちまった…」
無意識に視線を送ってしまった先に見える二人…
もうオレへの関心はどこかに行ってしまったようで、ソコにはまた2人だけの世界が存在していた
「…まあ玉はな…そう思ってるかもだけど、その人のホントの気持ちは本人にしか分かんないから、フフ、この人だって信じる気持ちがまだあるなら、その気持ちに賭けてみたら?…案外、大ドンデンあるかもだぞ!」
「…まさか…」
オレには渉ほどの楽観的思考の域には未だ達せない、一周回っての堂々巡りになるのがオチだろ
「ま、オレが言えんのはココまで!さて、明日の体育祭の最終打ち合わせ行ってくるわ、…おい、玉!実行委員会行くぞ!」
玉森に声をかけ、近づいていく渉…
途中少しだけオレを振り向くと、パチっと片目瞑ってきた
…ったく、何のサインだよ…
玉森が何か北山に話し、頭に優しく手を乗せる
ちょこっとだけ見えたハニカミ笑顔は、やっぱり可愛かった
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GAYASAKURA(プロフ) - daimommさん» 宜しければ最後まで見守って頂ければ嬉しいです!コメ大感謝です! (2018年4月9日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - daimommさん» こんばんは!コメ有りのお知らせが来て、ビックリしましたーw再読ありがとうございます!なんか恥ずかしいw、設定がブレまくってるので、その辺は大目に見て下されば有難いですw恋蕾は、vol.5に入ることが決定でございます、相変わらず無駄エピ増えてますが (2018年4月9日 23時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
daimomm(プロフ) - こんにちは!恋蕾で胸がざわざわして落ち着かないので、二人の原点を再訪しました。二人の絆を再確認して、恋蕾で来るであろう衝撃(?)に備えようと思います!恋蕾がUpされるまでに読みきれるかな・・ (2018年4月9日 17時) (レス) id: 4014bb6c4e (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - さらさん» こんばんは!コメありがとうございます!藤北、どうにか仲直り?出来そうな予感w勘違い過ぎるみっくんに、太ちゃんどうやって気持ち伝えさせようか思案中です、ユルユル更新となっておりますが、どうぞ宜しくお願い致します!コメ大感謝です! (2016年12月3日 18時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
さら - ピュアな北山くんにキュンとします!でも違うよ、なんでそうなった!?って突っ込みたいくらいのすれ違い(困)辻褄が綺麗にあってしまう見事なすれ違い、というか勘違いに藤北ぁーーーってなってます。作者さんが大切にこのお話を進めているのを感じ、応援しています (2016年12月3日 12時) (レス) id: 711613c946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2016年11月13日 22時