8話 ページ9
最寄駅で降りたオレ達は、駅構内のハンバーガーショップに入った
まだ少ししんどそうなミツを座らせて、テキトーに頼んだモノを運ぶ…ホラ、とミツの好きなジュースを渡すと、少しだけ笑ってくれた…
ホッとするオレ…
「ゴメンね…せっかく部活休みなのに…」
「気にすんなよ、また行けばいいって」
そう笑い飛ばしたオレの顔を、ミツは寂しそうに見つめてきた
「ミツ…なんかあった?」
コップに挿さったストローを、落ち着かなさげに弄びながら、ミツは、ためらいがちに口を開いた…
「…太ちゃん…オレね…引越しするんだ」
「え、どこに?」
「おじさんの家…」
「なんで?」
俺の問いかけに、目を伏せて、哀しそうに笑った…
「ウチの親…離婚するんだ―…オレ、お母さんと一緒に、一旦おじさんの家に住むことになって…」
「そう…なのか…」
「学校も、転校することになるから…」
「学校も…?」
「太ちゃんと同じ高校行きたかったけど、オレ、バカだからムリっぽいし……へへ…」
笑ってるミツが、オレには泣いてるようにしか見えなかった…
「今までありがとう…太ちゃん―…、ずっと仲良くしてくれて、いつもかばってくれて、嬉しかった…」
「なんで過去形なんだよ、これからだって友達だろ、会えるじゃんか」
「でも…」
オレは、咄嗟にミツの手を握った…小さな…俺の手に隠れてしまうような…
「 …ミツ、オレ心配で…お前一人にしとけない…―っ!」
「…太ちゃん…―」
ミツの大きな瞳から、ぽろぽろと涙が伝う…
「…ゴメンな…オレがもっと…お前より大人だったら…ずっと一緒にいてやれるのに…―ッ」
「オレなら大丈夫だから…、いつまでも太ちゃん頼ってたら、一人でなんにもできなくなるし…もう忘れなきゃ…ね―…」
忘れなきゃ…?…あのコトを言っているのか?
「…忘れられんのか?」
そう聞いたオレに…ミツは…キレイな微笑みを浮かべ、コクンと頷いた…
「…がんばるね…―…太ちゃん…」
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GAYASAKURA(プロフ) - はに〜さん» こんばんは!コチラにまでコメ頂きましてありがとうございます!うんうん、藤北ってきゅん神ですよね!切ない想いをリアルで伝えたコトが無いので、ただ今妄想大爆発中ですw!コメほんとに励みになります!ありがとうございます! (2015年8月17日 20時) (レス) id: 9f07080ee9 (このIDを非表示/違反報告)
はに〜(プロフ) - おみつって、どうしてこんなに健気がハマるんでしょうか、、藤,北って どうしてこんなに切ないのがハマるんでしょうか、、藤,北クオリティ、、引き続き 楽しみにしております! (2015年8月17日 15時) (レス) id: b78e817db7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2015年8月15日 21時