l wish to be your only one …エピ４ー２

ヒカル…５５ ページ8

…そして明日が宏光とヒカルとのお別れの日となった…

ヒカルの熱も平熱まで下がり、トモセンセの言う通り、ヒカルの体にはちっさな発疹が出てきた…なんかちょっと《ウ〜ン》てカンジになってるヒカルだけど、いつもみたいにオレ達にゴキゲンな天使の笑顔を見せてくれていた…

宏光は明日のコトについて何にも言ってこない…いつもと同じ様に、朝からヒカルの世話と家のコトをせっせとこなしていた

｢太輔、昼メシだぞ！｣

ベビーベッドで遊んでるヒカルの動画を撮ってると、ひろか呼びに来た

｢また撮ってんのか？…ったく、ホントに親バカだよなぁ、ヒカル連れて来いよ｣

のんびり呆れたようにそう言って、リビングに戻って行った

｢親バカだってさ、ヒカル…アイツの方がよっぽど親バカだよなぁ、めちゃくちゃオマエの写メ撮ってるしな！｣

ヒカルの写メ撮ってる時のひろ…ヒカルをカメラ目線にしようと必死で、ぬいぐるみ振ったりひたすら名前読んだり…ハタから見てるとホンっとに可愛いというか面白いと言うか…

可愛いのが撮れるとプリントアウトして、預かってた間の様子がわかるようにサラに渡すと言って、可愛い小さなアルバムを作っていた


リビングにヒカル連れていくと、いい香りがする…

｢わ、雑炊じゃん！なんで？｣

｢ん？…ヒカル熱下がった時さ、あんまり濃い食事はムリだからな、オレが熱出した時とか、あんま食欲ない時、母さんがよく作ってくれてたの思い出して…そしたらヒカル、気に入ってくれたみたいで、ペロって平らげたから…｣


宏光の顔には、今日はヒカルの喜ぶコト全部してやりたいって書いてあった…ソレはオレも同じ…ヒカルの笑顔、たくさん見たいよな…

オレは会おうと思えばいつでも会えるけど、宏光ほそうはいかないから…



｢熱いからな…フーフーしような、ヒカル｣

美味しいんだろう、一口食べる事に満面の笑みで、オレ達を見てくるヒカル…その可愛いさに瞬殺される宏光とオレ


程なく完食となったヒカルを抱き上げて、ひろはヒカルに言って聞かせるように、おデコを合わせて話し始めた


｢…ヒカル、好き嫌いしないで何でも食べるんだぞ…そしてな、ゆっくり大きくなれ…他の人と比べなくていいから、ヒカルらしいペースでいいんだからな…｣


ヒカルの小さな小さな手が、宏光の頬に伸ばされる…


ソレは本当に…オレの目には…絵画の様に見えた…




｢…ヒカル…ずっと…愛してるからな…｣

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