l wish to be your only one …エピ４ー２

繋ぐ…２ ページ42

｢ひろ…｣

｢…オマエの隣は…誰にもやんない……オレんだ……ずっと付いてくから…｣


一つ一つ…深い想いを載せ、紡がれる言葉…
重なる手は暖かく優しい…


｢うん、…ありがとうな…そう言ってくれてホントに嬉しい…｣



抱き締めた宏光の体から、仄かに甘い香りがする…首筋は、フロ上がり特有のしっとりした肌艶をオレに見せていた…


背中に回る手、オレの肩に頬を擦り寄せるようにくっつけてくる…可愛く甘えるその仕草に、思わず口許が綻んだ…

そのまま２人で夜の風に当たりながら、オレは腕の中の宏光の香りを楽しんでいた…


休暇もあと少しで終わる…


又、日本とアメリカでそれぞれの時間を過ごすことになるんだな……


わかっていても、寂しさは募る…



ふと、抱き締めた宏光の体が身じろぎ、オレの顔を見つめてきた…

躊躇うような…少しだけ気持ちが揺らいでるカオ…


｢…ん、どした？｣

何か言いた気に小さく開かれる口許…

オレは宏光の頬に手を添え、言葉の先を促した


｢…太輔……オレ達、一緒に暮らすこと…考えないか…？｣

｢…ひろ…？｣


思ってもみなかった宏光からの言葉…伝えた言葉をオレがどう受け止めてるのか気になるんだろう、不安そうな表情が浮かんでる…


｢ホントにスゴく嬉しい言葉だけど、どうしたの、急に…？｣

｢…結婚した時の、約束だから……｣
｢約束？｣

｢オレ達の《夢の家》…オレがソレ完成させたら、一緒に暮らすって言ったろ……だから…｣



ああ、そうだった…



あの夜…アメリカについてきて欲しいと言ったオレに、宏光が告げてきた…



｢…そか、約束、覚えていてくれたんだ…ありがとな…オマエの努力がこんなカタチで認めて貰えて、オレもホントに嬉しい…最優秀おめでとうな、宏光…｣

｢…うん、ありがとう太輔…｣


おデコにキスすると、恥ずかしそうに肩を竦めた


｢…そうだな、一緒に暮らすこと…少しずつ考えて見ていい時期かもな…お互いの仕事もあるし、２人で考えよう……オレ達とって、一番いい時期、検討してみよう…｣


｢…うん…ずっと待たせてゴメンな…｣


｢そんなコトねぇよ…こうして、何日も仕事休ませて来させてる……オレこそゴメンな…宏光の事務所の人にも、申し訳無いな｣


｢何言ってんだ、誕生日だろ！ダンナぼっちで過ごさせるとか、ヨメの名が廃るわ！｣


｢プッ、おま完璧ヨメ意識じゃん、…でも、ホントに……オマエは、世界一最高のヨメさんだよ…ひろ…｣

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