繋ぐ…1 ページ41
バルコニーに出て、オレはボンヤリと見慣れた景色を眺めていた…
街の中心部からは少し離れた場所にある自宅…高層階なのもあって、窓からは街の光が眼下に広がっていた
この景色…いつまで見ていられるんだろ…
フッ…と小さくため息を着いた時、
「…太輔……」
と声がした
振り返ると、バルコニーに続く開口窓に黒のバスローブを羽織った宏光がいた
「あ、フロ上がったんだ」
「…うん、オマエも入ってこいよ、今日疲れたろ、…もう寝ようぜ」
そう言って、ひろは隣に来ると、バルコニーの手すりに両腕を乗せ、オレが見てた方向に目を向けた…
その横顔を、乳白色の月明かりが包み込む…
黒い瞳が月光を反射して…とてもキレイだ…と、思った…
「…スゴイな、高層階からの街の光…」
「…そだな、…でも、もう見慣れたよ…」
「そか…でも、こんな景色…毎日見ても飽きねぇだろ」
宏光はオレに顔を向けると、柔らかな笑顔を浮かべた
「…景色なんて、何を見るかより、誰と見るかだろ、独りで見ても特に何も思わないかな…逆に宏光となら、例え真っ暗な海でも、オレはキレイだと思うよ…」
…オレの言葉に何かを感じたのか、宏光の表情が、ふと曇った…
…何言ってんだ、オレ…こんな日に…
「…ゴメンな、なんか変な言い方したな、ひろといれば、オレの世界はいつも快晴てコト!…《繋ぐ家》…早く実現させたいな」
笑ってみせると、少しだけひろがホッとした表情を見せた
「うん、でもドコに建てるかだよな、太輔の仕事考えたら、やっぱコッチだろうし…」
「フフ、オレは宏光と過ごせるなら、どこでも嬉しいよ、ソレが南極だろうと砂漠だろうと…月でもな…」
「月って…ハハ、ならあの家、相当過酷な状況に耐えれる様に設計し直しだよな」
楽しそうに笑ってくれるひろ…
その屈託のない、無邪気さを残した笑顔に、キュンと胸が鳴る…
「オマエは?…」
頬に手を添え、オレはその瞳を覗き込んだ
「オレと一緒なら、ドコでも付いて来れるか…?」
オレの問いかけに、ひろは一瞬だけ目を閉じ、
オレの手すりに置いた左手に、自分の左手を重ねてくれた…
薬指のリング…合わせると、それぞれのイニシャルを結ぶ様に見える…オレがデザインした…2人のマリッジリング…
キュッとオレの手を握ってくれる宏光…
「…あたりめぇだろ…オマエがいるところが、オレが一番自分らしく生きてける場所なんだから…」
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GAYASAKURA(プロフ) - 桜さん» こんばんは!コメありがとうございます!移行になっちゃいました、そして赤リボンは今とんでもない使われ方をしております笑笑ダンナはメロメロというよりはギンギンですぅ!でも、結局ヨメは受け入れるんですよねー、続きを覗いて見て下さいね、ドン引き覚悟でーす! (2016年6月16日 23時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 赤リボンのヨメがカワイイ♪♪ダンナもメロメロですね(≧∇≦) (2016年6月16日 19時) (レス) id: 5c781aad52 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - くみつさん» おはようございます!初めまして、でよろしいですか?ウチの藤北ちゃん好きって言って下さってホントに嬉しいです!星の連打なんて、も、感謝しかないです!ムダエピでダラ長いのがウチ仕様何ですが、少しでも楽しんで下さると嬉しいです!コメ感謝しか無いです! (2016年6月13日 7時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - sakyoさん» おはようございます!コメありがとうございます!いつもの強引な展開となっております笑笑本編では入れられなかったエピをときどき入れておりますが、辻褄あってるのかなぁと、ちと心配-W間もなくall upです、ジョッシーな藤北、見守ってくださいねー!コメ感謝です! (2016年6月13日 7時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
くみつ(プロフ) - いつも読ませて頂いてます! もう大好きです☆ 更新されて読む度に一番右の☆を押しちゃいます♪既に投票済みですって出るのわかってるけど、押さずにはいられません!素晴らしいお話ありがとうございます!!! (2016年6月12日 23時) (レス) id: f8f764e07c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2016年6月4日 10時