l wish to be your only one …エピ４ー２

＆ say … ７ ページ31

２０分ほど待つと、ゴンドラが近くなった…


オレ達は何色のかな…

｢お、コレはもしや…｣
隣の太輔が、ワクワクした表情でオレを見てくるけど、なんで？

一つ前の、あの女の子の家族が乗ったのは青いゴンドラ…乗り込む前に、その子がオレ達に向かって可愛く笑うと《グッジョブ！》のサインをしてきた

隣の太輔も、そのサインを返す…

キョトンのオレ…


青のゴンドラに乗り込んだその家族みんなが、次のオレ達を温かい笑顔で見てくれていた

｢乗ろうぜ、ひろ！やったね！｣


めちゃくちゃ楽しそうな太輔…

係の人がドアを開けてくれると、エスコートするみたいにオレを先に乗せてくれた

向かい合わせに乗るのかと思ったら、隣に座ってくる

｢え、隣？｣
｢当たり前だろ！そんなの常識でーす！｣

そう言うと、離れていた手をまた恋人繋ぎにして、太輔の膝の上に置かれた

ゴンドラは思ったほど大きくなくて、２人で座ると肩がくっつく程で…香水と少しだけ汗の混じった、オレの大好きな香りが鼻を擽った


少しずつ上昇していくゴンドラ…

外の景色がゆっくりと変わっていく

｢さっきさ、あの子と何話してたんだ？｣
｢ん？恋人って聞かれたから、オレのタカラモノって答えた｣
｢ブーッ！え、そんなコト言ってたのかよ！？｣
｢うん、そしたらさ、この観覧車のヒミツ教えてくれた｣
｢ヒミツって？｣

｢この中に1台だけ、中に天使の絵が描いてあるゴンドラがあるんだってさ、そのゴンドラに乗って一番高いとこでキスすると、永遠の愛を誓えるんだって…ホラ！｣

太輔がゴンドラの天井を指さす…え、まさか？


｢あ…っ！？｣


外ばっか見てて、全く気づかなかった…

天井には可愛い天使が矢が刺さったハートを抱き締めてる絵があった…

｢あの娘さ、SNSで今日は青と黄色のゴンドラに挟まれた赤いのに天使の絵があるって知ってたみたいで、パパとママを乗せてあげたかったけど、その人がオレのタカラモノなら今日はガマンするって笑ってた｣

｢…そんなコト話してたのか｣


｢変わってあげようかって言ったけど、また来るからって、家族の人も女の子の意見に賛成してくれてたから、ﾍﾍ…お言葉に甘えてしまった…｣


照れくさそうなハニカミ笑顔で、太輔はオレのアタマに手を置いて、クシャと撫でてくれた…

なんかイロイロ恥ずかし…


｢…あ、もう少しでテッペン来る｣
｢や、オマエ気合い入り過ぎ…っ…｣

不意に唇に当てられる人差し指…


｢…黙って…｣

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