l wish to be your only one …エピ４ー２

ヒカル…５１ ページ4

ヒカルについての注意点をトモセンセが宏光に伝えてる間、オレは放ったらかしのギルバートのトコに戻った

リビングでお行儀良くソファに座って待ってるギル…オレが入ってくると少しだけその表情を崩した…

｢もう大丈夫なんですか？｣

｢ん、ああ、乳児が絶対に1回はかかる症状らしい、そんなに心配することないってさ、とりあえずホッとしたよ、ありがとなギルバート、送迎させて悪かった…コーヒー入れてやるよ｣

｢いえ、お構いなく…｣

｢オレが飲みたいの！付き合え、美味いの飲ませてやる、…ひろとトモセンセも飲むかな…｣

サーバーにスペオキの豆をセットして、ドリップさせる…リビングに、いい香りが漂い始めた…さっきまでバタついてた心が、この香りで何となく落ち着いてくる…

｢ヒカル…あの赤ん坊はMiss、サラのお子さんですよね、デンマークへ行ってる間はMr．フジガヤが預かっておられたんですか？｣

｢そのMr．フジガヤってのやめようぜ、タイスケでいいよ、年下とか気にしなくていいから！…ああ、色々あってな、帰ってくるまでオレと宏光が預かってんだ、ちょうど帰ってるく頃には熱も下がって元気になってるだろ、良かったわ｣

マグカップを渡しながら、オレはホッとしていた…サラには帰ってから話そうかな、余計な心配させたくねぇし…

｢…タイスケのパートナーの方は、優しい方ですね…ヒカルを見てる瞳が、ホントに無条件に愛してるって色をしていました｣

｢惚れんなよ、死んでも誰にも渡す気ねぇから！｣

予防線張ろ！

｢ｸｽ…残念ながら、あの方は私のタイプではありません｡私はクールビューティが好みなので、ご安心ください、…小動物は苦手です｣

｢ブッ、小動物…って、…まあ確かに…オレも思う…宏光はハムスターかリスだよな…オレには超絶どストライクだけど｣

｢タイスケは、あの方のコトになると人格が著しく破壊されますね…愛は人を変えるんですね｣

｢うっせぇよ！ほっとけ！｣

｢図星でしたか、…まあいいです…アナタらしくて…｣


平然として、コーヒーを口にすると…少し間があって｢…美味しい……｣とつぶやく声がした…


｢だろ！この豆、ネットで取り寄せてるんだ、生産者の拘りでな、あんまり一般店に卸してないんだよな…持って帰れよ、こないだ取り寄せて沢山あるから、今日のお礼だ！｣

パントリーから、1袋取り出すとギルに手渡した…

渡す時にオレの手が重なって、ギルが戸惑うような表情を浮かべたように思えた…

ヒカル…５２→←ヒカル…５０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す