l wish to be your only one …エピ４ー２

ヒカル…５８ ページ11

太輔がヒカルを風呂に入れてる間…

オレは明日迎えに来るサラに渡すヒカルの荷物を作っていた…

さっきサラからSkypeが来て、明日の夕方、空港からそのまま迎えに来るっていうことだった

太輔がもう1日預かろうかて言ったみたいだけど
、やっぱりサラは母親で、一刻も早くヒカルに会いたいみたいだった…当たり前…

ヒカルのコトをホントに愛してるのはサラだから…

ヒカルのスーツケースは、オレ達が買ってやったモノも合わせて、来た時より荷物は増えてしまっていた…一番上にサラにプレゼントで用意した、ヒカルのウチでの写真をまとめたアルバムを入れた…


｢…コレで全部か……ｸｽ…案外多かったな…｣


アルバム…サラ、喜んでくれるといいな…



同じものがオレ達のトコにもある…


唯一サラのには入れてない写真…３人で撮った最初で最後の《家族写真》…


太輔もオレも３人で撮るのは何となくやめていた…ソレはきっと、ヒカルをサラに戻した後、辛くなることがわかってるから…もっと言うなら、オレがヒカルに会うことが、もうそんなにもできないだろうから…って言う太輔の優しい心遣いだった…



家族…


…オレと太輔には、次に繋がる命は生み出せない…どんなに望んでも…同性である限りソレは不可能で……


そんなコト承知の上で、オレ達はソレでも互いを求め、愛し合い…周りの人の理解の上で２人で生きてくことを決めた…今もこの先も、その選択が間違っていたとは思っていない…

ソレは太輔も同じ…



わかってる…



そんなの……わかりすぎるくらいわかってるのに…


どうしてこんなにも…涙が止まらないんだろう…


なぜこれほどまでに…胸が苦しい…




｢…ひろ……｣


頬を流れ落ちる涙が、ポタリと落ちた時、太輔の声が後ろから聞こえた

手の平で涙を拭い振り向くと、バスローブを羽織った太輔とバスタオルに包まれて、抱っこされてるヒカルがいた

｢…呼んだけど来ないからさ…連れて出てきたけど…平気か？｣


泣いてたオレに気付いたのか、心配そうな顔して太輔はそう言った

｢…何言ってんだ、当たりめぇだろ！ヒカル、風邪引くかんな、パジャマ着ような！おいで｣

手を伸ばすと、笑ってオレに向かってくる…太輔がヒカルをオレに渡しながら、オレごと抱き締めてきた…


甘いボディソープの香りがオレを包む…



｢…今日さ、３人でコッチのベッドで寝ような…｣


おデコにキスしてくれて、太輔は優しい顔でそう言った…

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