l wish to be your only one …エピ４

ヒカル…３３ ページ35

昼前くらいだろうか…

ヒカルを連れて車で買い物に出てたオレ達…帰りの車の中で太輔のケータイが鳴った


チラッと名前を確認するとそのまま放置で…

その上、太輔の表情がかなり険しくなってて…
オレはちょっと心配になる


｢なあ太輔、出なくていいのか？｣

さっきから三回目の着信…全部放置を決め込んでるみたいだ…


｢太輔…？｣
｢…ん、ああ…帰ったらTELするから、放っといて構わねぇよ…ったく、めんどくせぇ…｣

太輔がこんな雑な言い方するのも珍しくて…


相手は誰なんだ？…聞いても教えてくれないだろうと言うのは、雰囲気でわかる…

任せるしかないよな…





｢…なんだよ、何回もかけて来んな！、オレは休暇中なんだよ！｣

ホントに腹の立つヤツ…家に戻りオレは書斎からソイツ…同じ部所の後輩に怒りのTELをした

《ギルバート＝オーウェン》

ウチのCEOの甥で、同じ大学の後輩…

ＩＱ２００の天才で、飛び級で主席卒業のいわゆる超エリート、大学卒業して大手証券会社のシンクタンクで働いてたけど何の因果か、ウチに来て…まあ、CEOの親せきだから仕方ないんだろうけど…ホントにコイツ、オレの一番嫌いなありとあらゆるタイプを丸ごと詰め込んだようなヤツ…

学歴とＩＱを鼻にかけ、とりあえず自分の認めるヤツとしか絶対に接点をもたない…それ以外はアイツにとってクズ以下らしい

CEOの要請でオレが指導係みたいにされたけど、屁理屈コネまくって、クライアントと揉めること数回、その度に謝罪に行くのはオレで…ふざけんなって、ボスに何度も指導係を辞めさせてくれって言ったけど、コイツが唯一認めてんのがオレとサラみたいで、二人以外の言うことなんか聞くわけないって…ボスもギルバートにはお手上げ状態らしい…オレがダメならサラをってなったけど、サラにはヒカルがいて、これ以上負担かけさせるわけにいかなくて…


休暇前に、またクライアント相手に、なんか言ったらしくて…今度ばかりはオレも頭に来て《オマエが蒔いたタネだろっ！》って突き放したまんま休暇に入っていた


それなのに…


｢クライアントは、Mr フジガヤが来てくださればそれでいいと仰ってます！今夜のパーティ、私と一緒に出席お願いします｣

当然のように言い放つギルの言い方に、ムカつくことしか出来ない、コイツ、マジで人を怒らせる天才だ、どうしたらこんなヤツが育つんだよっ！


｢だからっ！オレは休暇中なんだよ！オマエが原因なんだろ、1人で行けよっ！｣

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