ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ２

５９話 ページ11

今日もオレは宏光と図書館ボランティア

夜遊びも禁止され、ほぼ休みなく大学と事務所の往復のみの毎日を、オニの指導係に強いられてるオレにとって、唯一の息抜きができる日……好きな人と一緒に過ごせる時間……

いつも通り、大学は代返頼んで図書館へGOなう！鬼ハルカも授業でいる間は、うるさく言って来ない……カウンターにいる宏光の姿を、本の片付けをしながら、オレはときどき見ていた……あの頃と変わらない優しい笑顔を来館の人に向けて、対応してる宏光…オレに向けられてるわけじゃないけど、その笑顔を見ているだけで、暖かい想いが湧いてくる…あの人が好きだと…何度も想う…どうしたら好きになってもらえるんだろう…切なくて…


…その時…

背の高い男が、宏光のカウンターに真っ直ぐに近付いていった…


ハル…カ……っ！？

少し離れたところにいるオレからも、瞬間、宏光の身体が固まったのがわかった


「…あのヤロー…っ、何でココに…っっ」

突然姿を現したハルカに、明らかに動揺してる宏光…オレは宏光の目の前にいたハルカの肩を掴み、カウンターから引き離した…

「…っ太輔…やめろって…っ」
宏光の制止の声がした……

回りの来館者が、その勢いに目を丸くして見ている…マズい…

「…ちょ、こっち来いよ…っ、」
ハルカの腕を掴んで、中庭に引っ張り出した…
ハルカは表情一つ変えず、オレを見てくる、
ムカつく……

「何でオマエがココいるんだよ…っ」
「ソレはこっちのセリフだろ…なんの為のケータイだ、オレからの連絡にはすぐ出ろって言ってただろ」
「はあ？…」

この時間だけは誰にも邪魔されたくなくて、オレはいつも電源オフにしていた…クソ、寄りによってハルカからかよ…

開いた画面に着歴が、相当数入っていた…

「ココでナニをしてる…」
「…どうせ調べて来たんだろ、聞くまでもねーだろ…」

「６時から緊急アポだ…帰る用意しろ」
「は？聞いてねーよ！ヤダね、今日はコッチが先約なんだ、断る！！」
「宏光…アイツと一緒にいたいからか？」
「だったら悪ぃかよ」
今まで無表情だったハルカの表情が、その言葉で変わったのがわかった…

「プライベートは無いって言ったよな」
「ボランティアだ、プラベじゃねーよ」

「…わかった、ミーティングにはオレが行く…ボランティアだな、ならソレも利用させてもらう…」

ソレだけいって、ハルカは背を向けて帰っていった…利用…？

その翌週、ハルカの言った言葉のイミがわかった…

６０話→←５８話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す