セカンドレディー【USSS】

Chapter３・・瓦解 ページ14

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家に着いた頃には、もう19時を過ぎていた。

流石夏というところだろうか？この時間にも関わらず、空はまだ明るい。完全に真っ暗になるにはまだ時間が必要みたいだ。


「じゃあ俺、ちょっと防音室いるね。」

『分かった。』


声優の仕事をするに当たって彼は、引っ越しの時に防音室のあるマンションを選んだそうだ。

防音室ということだけあって、その中にいる限り外には音が漏れない。

…つまり、他の女の人と電話をしていても、バレないということ。


『(そういえば、)』


昨日、毎週月曜日は浦島坂田船で放送していると志麻が言ってた。時間も余ってるし、折角だから聴いてみよう。

どうやら21時からのようなので、先にお風呂を済ませてしまおうとお風呂場に向かう。


『志麻リスにならないか、ねぇ…』


というか、志麻さんのCDを全部持っていると言っていたあいつは、いつから推しているのだろう？最古参とか？
それだったら、やっぱ本人に認知とかされてるのかな？…普通だったら自分よりあとの同担さんって苦手に思わないのかな？

私だったら、ちょっと苦手意識持っちゃうかも。

『(…あれ？)』


そこでふと思う。

これって自分を一番にしか考えていない。推しを一番に考えていたら、その人のファンが増えて有名になることを望むはずだ。
有名になってほしいけど、同担が増えるのは嫌だ。結局それって、自分の独占欲が勝っているだけではないのか？

けど、独占欲って人間の本能だし、それが普通だと思う。


……どっちが正しいんだろう？





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