顔が好き！！【志麻】 (ページ7)

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　何、なんて電話に出れば少し怒った声。

　「坂田に聞いたんやけど、何でお前俺に言わんの？」

　「言ったところででしょ。」

　要件は言われなくても何が言いたいのかは察した。言ったところで昨日には戻らないし、志麻がどうにかできる訳でもない。ていうか、坂田くん言ったんだ…。まあ、口止めしてなかったしね。

　「そういう問題ちゃうやろ。」

　「なにそれ。私たちはそういう関係のカップルじゃないじゃん。」

　お互いに心配する、とか好きって言ったりもしない友達の延長のようなそんな関係で顔がお互いに好みだから、関係にやや強引に名前をつけたような少しあやふやな関係。

　「…俺が昨日止めといたらそんなことならんかったやん。」

　「過ぎたことを言っても仕方ないじゃん。」

　「お前は俺の彼女やねんから、心配すんのくらい普通やろ。」

　なにそれ。…滅多に言われないどころか志麻から初めて言われた言葉に思考が止まる。

　そんな優しい声で、少し焦ったような声で、心配しないでよ。

　「まあ、坂田くんが助けてくれたし大丈夫だから。安心して。」

　「…俺が助けれたら良かった。」

　「え？」

　「なんもない。なあ、今週末の夜空いてる？」

　聞こえなかった言葉を聞き返せば、誤魔化された。まあいいけど。素直に教えてなんてくれないんでしょう？

　「今週末？空いてるけど。」

　「飯、行こ。」

　「はいはーい。」