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驚いた顔が今まで見たことない顔で少し笑ってしまう。
「私、好きでもない人とさすがに付き合おうなんて思わないよ。」
そりゃあもちろん、友達とかに言った好きなところは顔っていうのは嘘ではないけど、志麻自身のこともちゃんと好き。志麻に言ってこなかったのは志麻が、本当はどう思ってるのかわからなかったから。
「はあぁぁぁ…。」
大きなため息。
ぽすん、と志麻の額が私の鎖骨らへんに軽く乗せられた。髪の毛が当たって少しくすぐったい。
「…もう、合コンなんか行かんといて。」
「いいよ。志麻も行かないでね?」
「おん。」
坂田くんに志麻がかわいい、なんてラインをしたらどんな反応が返ってくるのか少し気になるけど、それより今はこうやってもう少し志麻と話をしよう。
「ていうか、志麻が引き留めてくれたら合コンなんて行かずに済んだのに。」
「…ごめん。」
半ば八つ当たりのように怒られたことを思い出してそういえば、素直に謝ってもらってなんだか少し罪悪感。
「仕方ないなぁ、今度甘いものでもおごってね。」
「ええよそんくらい。」
まあでも、志麻の好きなスタバを選んであげようかなと思うくらいには怒ってないんだけど。ちょっとくらいいいでしょ、こんなこと言ったって。
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