検索窓
今日:5 hit、昨日:7 hit、合計:79,355 hit

ページ49

部屋に戻り、ドアに寄りかかると体の力が一気に抜けて、その場に座り込んでしまう。



ど、


どうしよう…



「…き、キス…しちゃった…」


急激に上がる体温を冷ますように近くの雑誌を手に取り、パタパタ扇ぐ。


一息ついて手元を見ると、表紙に写るオッドアイの男性がこちらを見つめていた。


「っ!!!!!」


せっかく冷ました体温はまたも上昇する。

だ、だって黒崎さんが!

あんなことするから…!



「…好き…かぁ…。」

さっきの言葉を思い出し、また雑誌を見つめる。


「…恋人…ってことで…いいの?

あれ?でも…付き合ってくださいって…言ってないよね?

ってことは、まだ恋人じゃない…?」



悶々とそんなことを考えてると唐突にドアの鳴る音がする。


「Aちゃーん!?
部屋戻ってるの?」

「れ、嶺二さん!」

そうだ!私、ご飯の支度の途中で…!

「ごめんなさい!
ごはんつくります!」

「もー。アイアイもミューちゃんもプンプン丸だよ?」


パタパタと台所に戻ると、黒崎さんがサラダを取り分けていた。

「…。」


たった数分前、あんなことをしたとは思えない冷静さだ…。

私だけ意識しちゃって、バカみたい…。


「A、これ。」

「あ、はい!」

渡されたお皿を受け取ろうとすると、黒崎さんと私の手が触れた。


「あっ」

反射的に手を引こうとしてしまい、お皿が一瞬、宙を舞った。


「おい!!…あぶねぇ…」

「ご、ごめんなさい…。」

「なに余計なこと考えてるんだ?」

「はっ!!!」

私の考えが見透かされたようで、思わず顔を上げる。

目の前には怪訝そうな顔をした黒崎さんがいた。

この際、思い切って聞いてみようか…?

「…その、さっきの…こと、考えてて。」

「なっ…さっきのって…お前」

「私、たちは、


こ、
恋人同士…ってことで、いいんですか?」

小さい声でそう問う。
やっぱり聞かなきゃよかった。

めちゃくちゃ恥ずかしい…。


「…俺は、そのつもりだった、けど。
違うのか?」

「え?」

「こっ、こっちみんな!」

「きゃっ!」


私が顔を上げると、黒崎さんが私を抱きしめていた。

一瞬見えた黒崎さんの真っ赤な顔が、なんだかとても嬉しいことのように思えた。

「…くそっ…
こういうの、初めてでわかんねぇ…。」

「ふふっ

私も、初めてです。

黒崎さんも一緒で、嬉しいです。」

「なっ!!!

…そういうの、いちいち言うんじゃねぇ…。」

黒崎さんの優しい声色が体に染みた。

*続編のお知らせ*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
134人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» わ〜!!ありがとうございます!! ユーザー名違うんですけど、翔ちゃんのアイコンなので、よろしくおねがいします!!! (2018年5月11日 22時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)
aiai(プロフ) - ぴかんちさん» ほんとですか!!私の載せとくので良ければフォローください!@aiai_Seiyuで見つかると思うんで…そうですね!頑張ります! (2018年5月6日 22時) (レス) id: cf55e6d6ff (このIDを非表示/違反報告)
ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» 社会人だと平日に余裕でイベント参戦出来るのでほんっと強みです笑 ライブは土日多いので戦争ですけど… Twitter!やってます!! (2018年5月6日 19時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)
aiai(プロフ) - ぴかんちさん» そうですね〜!わかります(;_;)ぴかんちさんTwitterとかやられてるんですか??私も来年社会人デビューです!ぜひイベントで会いたいです! (2018年5月2日 21時) (レス) id: cf55e6d6ff (このIDを非表示/違反報告)
ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» 社会人、正直しんどいです!笑 行く時間も帰る時間も学生と全く違うので… わー!イベント基本ぼっち参戦なので、会えたら嬉しいです…(T ^ T) ただ当たったら当たったで物販かほんとに心配ですよね、ペンライト無しの参戦だったら悲しすぎる… (2018年5月1日 20時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴかんち | 作成日時:2017年11月30日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。