・ ページ30
不思議と一ノ瀬さんにはなんでもお話ができる。
いつでも的確に、明確に解決策を見出してくれる。
頭の回る一ノ瀬さんのことだ。
前世はきっと名探偵といったところだろうか。
「…実は、この間のユニットのステージに、黒崎さんの知っている有名なバンドの方々がいらしていたみたいで。
本番が終わった後に、メンバーさんから黒崎さんにお声掛けがあったんです。」
「…流石、ですね。」
「はい…
黒崎さんはあまり人と楽器を弾きたがらなくて…
でも昔組んでいたバンドの方々と楽しく弾いたり歌ったり、有名になって活躍したり…夢だったと思うんです。」
「なるほど。」
「…だから、応援してあげたい気持ちはあるんです。
でも…なんでかよくわからないけど、行って欲しく…無いんです。」
そう、私が黒崎さんの夢に近づく大きなチャンスに背中を押せないのはこの問題があるからだ。
よくわからない…なんで行って欲しくないのかもわからない…。
昨日小野瀬さんは「メンバーがやる気になっている」と言った。
つまり、黒崎さんと演奏する曲…
彼等は心待ちにしているんだ。
まだ黒崎さんが迷ってるなら、自分の夢を大切にしてほしい。
だから、私は背中を押してあげるべきなのに…
「…面倒臭い人ですね。」
「…面倒臭いって…相談してるんですよ?」
「…そんな顔で背中なんか押されても嬉しい人なんていません。
まずは、目の前の問題から片付けていきましょう。」
「目の前の問題…?
あっ、一ノ瀬さんどこに?」
「こんな事務所の廊下でいつまでも座り込んでいるつもりですか?
私の仕事は終わりましたから、部屋に行きましょう。」
「部屋って…誰の…?
あ、こっちはカミュさんが休んでるみたいなので無理かも…」
「何言ってるんですか。
私の部屋です。」
「…一ノ瀬さんの…い、いいんですか?」
「…まぁ、音也が帰るまでは。」
…と言う一ノ瀬さんの言葉も虚しく…
「あ、トキヤ!おかえんなさーい!
あれっ、かおりもいる!やっほ〜!」
「こ、こんにちは…。」
「音也…今日はダンスレッスンの日でしょう?」
「あ〜…それが…。」
足首を指差した一十木くん。
その先には包帯で巻かれた痛々しい足があった。
「怪我されたんですか?」
「軽い捻挫だけどね。」
「準備運動はあれほど大事だと言っていたでしょう。
音也はいつもそうです。
周りの迷惑を考えたことがありますか?」
「ははは〜ごめんごめん。」
134人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» わ〜!!ありがとうございます!! ユーザー名違うんですけど、翔ちゃんのアイコンなので、よろしくおねがいします!!! (2018年5月11日 22時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)
aiai(プロフ) - ぴかんちさん» ほんとですか!!私の載せとくので良ければフォローください!@aiai_Seiyuで見つかると思うんで…そうですね!頑張ります! (2018年5月6日 22時) (レス) id: cf55e6d6ff (このIDを非表示/違反報告)
ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» 社会人だと平日に余裕でイベント参戦出来るのでほんっと強みです笑 ライブは土日多いので戦争ですけど… Twitter!やってます!! (2018年5月6日 19時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)
aiai(プロフ) - ぴかんちさん» そうですね〜!わかります(;_;)ぴかんちさんTwitterとかやられてるんですか??私も来年社会人デビューです!ぜひイベントで会いたいです! (2018年5月2日 21時) (レス) id: cf55e6d6ff (このIDを非表示/違反報告)
ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» 社会人、正直しんどいです!笑 行く時間も帰る時間も学生と全く違うので… わー!イベント基本ぼっち参戦なので、会えたら嬉しいです…(T ^ T) ただ当たったら当たったで物販かほんとに心配ですよね、ペンライト無しの参戦だったら悲しすぎる… (2018年5月1日 20時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴかんち | 作成日時:2017年11月30日 1時