【Ran】カルラブ

・宣 伝 ページ24

『蘭丸先輩と、俺らしい曲なので、絶対聴いてくださいわん！！
…は、恥ずかしい…。』

はにかみながら一十木くんがしゃがみこむ。

そこで動画はおしまい…。

「…これが、全員分…。」

その他にも、「侍になりきって宣伝」「パントマイムで宣伝」「赤ちゃん言葉で宣伝」…なんて、無茶振りな宣伝がたくさん。

きっとこれは早乙女さんお手製なんだろうな…。

それに比べれば、犬になりきって宣伝なんて簡単だったのかもしれない…。

セシルさんの動画が終わると、
QUARTET NIGHTの動画が並ぶ。

「うわぁ…どんななんだろ…たのしみ！」

嶺二さんは当たりくじで、「大声で宣伝」。何となくいつも通りな感じがした。

何となく、「面白いものが見られる」という言葉を思い出し、黒崎さんの動画は後回し。


続く美風さんは「即興の歌で宣伝」。
このお題には美風さんも困惑してたけど、謎の歌を歌い終わった後の笑顔は彼らといる時じゃないと見られない笑顔で、なんとも和む動画だった。


カミュさんは「情熱的に宣伝」。
…こんな情熱的な宣伝見たら、曲じゃなくて俳優として声がかかりそう…。



「…最後に、黒崎さん…。」

ドキドキしながらクリックをすると、不機嫌そうにカメラに写る黒崎さんがいた。

きっと、前の人たちの有様をみて嫌になったんだろう。

『黒崎蘭丸だ。
久々に演奏にも力を入れた。
是非聴いてみてくれ。』

『えー？それだけぇ？』と、外野から嶺二さん。

箱が運び込まれると、眉間にしわがよる。
箱に手を入れてから引くまでは驚くほど早く、この動画を即刻終わらせたい感じが目に見えてわかる。

『っはぁ！？なんで俺がこんな…！
おい、待て！くじ変えさせろ！』

大激怒の黒崎さんは無視して、スタッフさんが運んできた小道具は…


「ねっ、ね…







猫耳…カチューシャ…。」




暴れる黒崎さんを押さえつけ、嶺二さんがカチューシャを装着させる。

序盤よりもだいぶイラついた様子の黒崎さんがカメラを睨みつけている。

こ、こんなんじゃ誰も曲買ってくれないよ〜泣


『ランラン、終わらせたいんだったら早くやろー。』

『そうだね。やらない限り終わらないよ。』

嶺二さんと美風さんの言葉を受けてか、深くため息をついた黒崎さんは言葉を続ける…

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す