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「えー、と。どうしよう…。」



私とはるちゃんで、ペアの半分の作曲をする事になったけど…


まさか初日からこんなに行き詰まることになるとは…


でも珍しいな。
今まで作ってきたカルナイの曲のベースは弾くこと多かったのに。

カルナイのみんなは良くて、一十木くんとじゃダメな理由ってなんだろう…?


結局その日は一十木くんが黒崎さんの心を開くのに一生懸命で、曲作りには手も触れなかった。


悲しそうに耳を垂らしたわんちゃんは部屋を後にした。
一方口もきこうとしないねこちゃんは窓に目を向けていた。


「困ったな…」


ギターを入れるか入れないかじゃ、曲のイメージもずいぶん変わるし…。


「ただいま。」

「あ、美風さん!お帰りなさい。」

「何?ランマル怒ってるの?」

「あ?」

「あ、あの、美風さん…。」



また険悪な雰囲気になるこの場にいても経ってもいられなくなる。

「あ、あの!黒崎さんにお願いが…!」

「なんだよ。」

「私にも、弾き方教えて欲しくて…!」

「お前に…?」

「その、割と編曲する時とかコード譜の読み方とか…難しくて。」

「こいつはな、やろうと思って出来るようなヤワな楽器じゃねぇんだ!」

おもむろにベースを構える黒崎さん。


低音の弦が弾ける音。
音階を弾くその音色すら、プロの音だ。

「座れ。」

「は、はい…。」

持たされたベースは思ったよりも重くて、そして大きい。

「…やっぱ小せぇな。
お前には無理だ。」

悪そうに微笑した黒崎さん。

そんな!まだ一音も弾いてない!

「作曲家でギターを弾いてる人は沢山いるしね。
いい経験になるんじゃない?」

向かいの椅子に腰かけた美風さんが興味津々に見守る。


「いいか、基本の音はここだ。」

「こ、こうですかっ!」

ボヨンッと短い音がした。
初めて弾いたベースは思ったよりも難しい。

それから音階を練習するも、やっぱりうまく弾けず…

「うぅ…難しい…。」

「だからお前には出来ねぇっつったろ。」

楽し気に笑う黒崎さんには確かに笑顔があった。

「なるほど。大体原理は理解した。
僕に貸して。」

「はぁ?Aも藍もかわらねぇだろ。」

美風さんも私と同様、ボヨンッと音を鳴らす。

「そうか、1Nでこの音量…
ピアノとはやっぱり違うな。
抑える圧力によっても音程が変わってくるのか…。」

とても興味深そうにベースに触れていた。


今なら…さっきのこと、聞けるかな…?

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ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» わ〜!!ありがとうございます!! ユーザー名違うんですけど、翔ちゃんのアイコンなので、よろしくおねがいします!!! (2018年5月11日 22時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)
aiai(プロフ) - ぴかんちさん» ほんとですか!!私の載せとくので良ければフォローください!@aiai_Seiyuで見つかると思うんで…そうですね!頑張ります! (2018年5月6日 22時) (レス) id: cf55e6d6ff (このIDを非表示/違反報告)
ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» 社会人だと平日に余裕でイベント参戦出来るのでほんっと強みです笑 ライブは土日多いので戦争ですけど… Twitter!やってます!! (2018年5月6日 19時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)
aiai(プロフ) - ぴかんちさん» そうですね〜!わかります(;_;)ぴかんちさんTwitterとかやられてるんですか??私も来年社会人デビューです!ぜひイベントで会いたいです! (2018年5月2日 21時) (レス) id: cf55e6d6ff (このIDを非表示/違反報告)
ぴかんち(プロフ) - aiaiさん» 社会人、正直しんどいです!笑 行く時間も帰る時間も学生と全く違うので… わー!イベント基本ぼっち参戦なので、会えたら嬉しいです…(T ^ T) ただ当たったら当たったで物販かほんとに心配ですよね、ペンライト無しの参戦だったら悲しすぎる… (2018年5月1日 20時) (レス) id: 1c983642ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴかんち | 作成日時:2017年11月30日 1時

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