【カゲプロ】猫目のあいつ。 (ページ4)

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ヒビヤ「...さん」コノハ「だよ..？」ページ4

『ここか..』

Aはマンションを見上げた。

カノはもう、部屋に上がっているらしい。

重いため息をついたら、背負ったずっしりしたリュックサックがもっと重く感じた。

さらにAを憂鬱にさせたのは、マンションの高さと条件だった。

海沿いにある100階建てのマンションは、標的標的(ターゲット)と鉢合わせするといけないので、85階まで階段で移動しなければいけないから、女子にとっては辛いのだ。

『はあ、はっ..』

50階まで来たところで、さすがに息切れしてきた。

必死になって85階に着くと、女の子の泣き声が聞こえた。

カノ「はなちゃん、泣かないで？」

カノが、はなちゃん(?)という女の子と廊下で座っていた。

どうやらはなちゃんがアイスを落としてしまったから、泣いているらしい。

ん..あのアイス...さっき暑いから、冷蔵庫に溜めとこうと思ってコンビニで買ったアイスだ！

..うん。あげよう。

『あの..はなちゃん』

目を丸くして二人がこちらを向いた。

リュックサックから、クーラーボックスを取り出す。

はなちゃん「...なに..?」

困惑したように言うはなちゃんに、クーラーボックスに入ったアイスを渡した。

『よかったら食べない？』

はなちゃんは目をキラキラさせて、

はなちゃん「いいの？」

と聞くから、最後ににっこり笑って、

『いいよ！』

と頷いた。

はなちゃんはアイスを握り、お礼を言って走って行った。

カノは立ち上がって、

カノ「.....暑いから部屋、入ろ」

と汗で濡れた髪を掻き上げた。

それはAも同感だったので、頷いて部屋に入った。

全体的に、レトロな雰囲気を漂わせる、よくカタログに出てくるような部屋だった。

『はい、アイス』

棒状のアイスを渡した。

カノ「ありがと」

カノもさすがに疲れた様で、ソファーに寝そべったまま、アイスを舐めている。

本当に猫みたいだなぁ。

ずっと見つめていると、カノが

カノ「...何？」

と口を尖らせて言ってきたから、

『別にー？』

と目を逸らした。

そんな中、キドから電話がかかって来た。

カノは、Aにも聞こえるように、大音量にしてくれた。

キド「カノか？」

カノ「そだよー？僕以外にだれがいるのさー」

キド「いや...さっき電話がかかって来てな？
はな？は預かったから、助けたかったら団地まで来いって言ってきたんだが..」

Aはもう、それ以上は聞き取れなかった。

カノとキドは何か話していたが、驚いて物も言えなかった。