【政】依依恋恋.4 ページ9
〜Aside〜
A「…(初めてのお見合いが、
政の弟さんかぁ……どんな人なんだろう)」
と口が裂けても言えないが、
呑気な事を考えていた。
形だけでも王弟に会えるのは
王族でも限られた人間しかいない。
頭には普段つけないような豪華絢爛な
宝石や髪飾りが散りばめられ、
結われた黒髪は、Aが動くたびにキラキラと美しく煌めいていた。
正装の為、何枚も着物を重ね合わせ
白くて陶器のような彼女の肌に、綺麗な色合いを彩っていた。
耳には、以前父から貰った雫のような耳飾りをつけてお守り代わりに付けている。
普段も整った顔立ちの彼女だが、
磨けば磨くほどに、その美しさは止まることを知らず、彼女の着付けの準備した者達や、道を歩くだけで人々が…その美貌に跪(ひざまず)いた。
Aが通るたびに、
皆溢れそうなほど目を開き、自然と道を開ける。
見送りにきた騰や軍長達も、その姿に
言葉を失い、口をあんぐりと開けた。
それは、さっきまで屈強な男達を薙ぎ払っていた女には見えないほど、どこぞの上流貴族の娘にしか見えなかった。
録嗚未・鱗坊・隆国・同金・干央
「「「「う、美しいッッッッ！」」」」
一瞬で顔が火照る軍長たち。
馬車に乗る為に、
騰がAの手をとってエスコートした。
騰 「…A、綺麗だ…」
そう言って、いつもの通りを装って
その白い頬を撫でる。
A「ふふっ…、騰さま、行ってきます」
くすぐったさそうに、いつものように可愛く微笑むA。化粧で大人っぽくなっているが、そこには年相応の彼女がいた。
騰 「…ああ」
名残惜しくも、彼女を見送る。
日に日にその美しく成長していくA。
一生をかけても、今度こそお守りすると天国の殿に改めて誓った。
⭐
馬車が止まって案内されたのは、地下の奥深くだった。日の当たらないその場所は、思っていた場所とは全然違っていて、ジメジメと暗い。
A「…(わぁーー。
お見合いって皆こんな暗いところでやるんだー)」
能天気な事を考えていると、重く閉ざされていた扉がギギギッッと音を立てて空いた。
砂埃がして、奥を見つめると
王座のように中央にそび立つ椅子に、体を横にして座っている男が暗闇の中見える。
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ナタデココ(プロフ) - キングダム夢小説でこんなにいい小説に出会えるとは思いませんでした🥺♡お気に入り作者にも登録しようかと思ってます😌❤︎本当に宜しかったら、王騎様救済ルート、作って貰えませんか？ (10月4日 22時) (
レス) @page22 id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - ちさとさん» リクエストありがとございます！外伝の方で書いてみますね。いつかパパシリーズも書きたいと思ってます！ (2020年9月2日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと - 本編と関係なく政や信と結ばれるお話ぜひお願いします！！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月1日 16時
