歌姫の誕生.3 ページ50
貂 「俺は嬉しいけど、ずっとここにいていいの？」
その途端、笑顔が消えてシュン…と落ち込む。
A「うん…そろそろ戻らないとね。
貂にも迷惑かけちゃうし…」
貂 「そんなッ！(…俺はむしろこのまま
ずっとここで暮らせばいいのになって…！)」
でも、それは現実では不可能なのだと知っている。Aは将軍の娘なのだから…。
A「湿っぽい話はおわり！
次来るときは、もっと美味しいもの作れるように食材もたっぷり持ってくるね！」
貂は想いを告げるタイミングを逃してしまった。
それでもこれでいいんだ…と自分に言い聞かせる。
いまは少しでも、彼女との限られた
貴重な時間を独占させてもらおう。
⭐
その頃、咸陽の町では珍しい組み合わせの二人が歩いていた。
蒙恬 「ねー！ちょっと、王賁ー！
詳しく教えてよ！…戦から帰ったと思ったら、なんでAが超有名人になってるわけ？！」
王賁 「……………」イライラ
王賁の眉間のシワは、いつにも増して深く刻まれていた。それもそのはず…。王騎の娘であるAも、王一族の分家にあたる。
貢ぎ物やら縁談は、必然的に宗家の跡取りである自分にも伝わってくる。毎夜、毎夜、自分以外の男から、馬鹿みたいな巨額な金と宝石達がAに贈られるのを見ると、反吐が出た。
蒙恬 「しかも…噂じゃあの李牧から
土地まで贈られたって本当なの…？」
王賁 「…ッ………」ピク
ーーー李牧。
今一番聞きたくない名前だった。
先日まで王騎を討った張本人の癖に、その娘のAに求婚するとは、いい度胸だ。
槍で全身ぶっ刺してやりたい……。
蒙恬 「…うわー。…本当だったんだ…」汗
王賁のただならぬ殺気に、昔馴染みの蒙恬はそれが真実だと知る。…小さい頃から可愛がってきた彼女が、どこの馬の骨とも知らぬ男から迫られてるのは、蒙恬も気分が悪い。…過去一で最悪な気分だ。
しかも、こうして町中を歩いていても彼女の話題で持ちきり。道行く人が、皆彼女をひとみ目みたいと騒いでる。
陸仙に裏で調べさせても、Aは数日家に帰っていないって聞くし…。
蒙恬 「どこいっちゃったんだろうなぁ〜、
俺たちの可愛いAは…」
早くあの笑顔を見て、癒されたい…。
その気持ちだけは、正反対の二人でも
同じだった…。
ーーーーーーーー
『月下美人の君.6』に続きます。
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ナタデココ(プロフ) - キングダム夢小説でこんなにいい小説に出会えるとは思いませんでした🥺♡お気に入り作者にも登録しようかと思ってます😌❤︎本当に宜しかったら、王騎様救済ルート、作って貰えませんか？ (10月4日 22時) (
レス) @page22 id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - ちさとさん» リクエストありがとございます！外伝の方で書いてみますね。いつかパパシリーズも書きたいと思ってます！ (2020年9月2日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと - 本編と関係なく政や信と結ばれるお話ぜひお願いします！！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月1日 16時
