恋ひ余る.4 ページ47
耐えきれず、目から涙がこぼれる。
弱さを見せたくないのに…。溢れ落ちてしまう雫が悔しくて唇を噛む。
A「っ…やっぱり李牧さんは、
…嫌いですっ！」
どうして嫌いになれないんだろう。
憎しみを与える張本人なのに。
愛する父の仇なのに。
その微笑みを見ただけで、
胸がこんなに締め付けられる……。
私はいつから……
この人のことが好きになってしまったんだろう…
ぐちゃぐちゃの感情のまま
見られたくない…というように、両手で顔を隠した。
すると、Aの存在を全て包み込むように
李牧が抱きしめる。
李牧 「…このまま、私と一緒に来ませんか？」
A「…ッ！？」
ずるい男だと、卑怯者と罵倒されてもいい。
彼女と一緒にいられるなら、どんな不名誉も甘んじて受けよう…。
李牧 「全てを捨てて…
どこか田舎に家を建てて、二人で暮らしましょう。
羊を飼って、子供を作って、
仲間たちと共に土地を守って生きる。
私は、A一筋で、
一生愛し続ける自信ありますよ…」
決して叶うことのない…夢のような生活。
A「……ふふっ。李牧さん…。
お魚釣るのも上手でしたもんね…」
貴方への憎しみが完全に消えたわけでもない。
李僕 「こう見えて、私は料理上手ですよ。
Aの為なら、腕によりを掛けて
愛情たっぷりの手料理をごちそうしましょう」
正直、愛や恋が分からない…。
でもこの気持ちは、初恋ってものなのかな…？
そんな生活は許されるわけがないのに、
少しでも…そんな未来もいいなと思ってしまった。
父上、親不孝な娘でごめんなさい…。
A「…っ…りぼくさん…
わたしっ…、りぼくさんのこと、
…すきでした」
それは自分の気持ちに区切りを付けるための
最初で最期の言葉だった。
育った国を…周りの仲間たちを…
家族を捨てられない。
そんなAの気持ちを全部分かったかのように、掻き抱く。
李牧 「…いつか、必ず貴女を妻に迎えます。」
Aが捨てられないのなら、
攫ってでも自分が奪いとる。
離れていても、どうしても惹かれあってしまう二人
次に会うときは、
間違いなく敵同士だと分かっていても
この気持ちを消してしまいたかった。
初めて李牧とした口付けは、
涙の味がする哀しいキスだった。
ーーーーー
恋ひ余る：恋心が抑えきれないで外に表れる。
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ナタデココ(プロフ) - キングダム夢小説でこんなにいい小説に出会えるとは思いませんでした🥺♡お気に入り作者にも登録しようかと思ってます😌❤︎本当に宜しかったら、王騎様救済ルート、作って貰えませんか？ (10月4日 22時) (
レス) @page22 id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - ちさとさん» リクエストありがとございます！外伝の方で書いてみますね。いつかパパシリーズも書きたいと思ってます！ (2020年9月2日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと - 本編と関係なく政や信と結ばれるお話ぜひお願いします！！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月1日 16時
