落雁美人.2 ページ42
興奮冷めやらぬまま急に静まり返った宴会場で、その場の者は二人のやりとりを固唾を飲んで見守るしかなかった。
Aの「武人」発言で、にわかには信じられないが同じ名前の武将について、公孫龍が声を上げる。
公孫龍 「A？…もしや、王騎の娘で
先の戦で渉孟将軍を討ち取ったという…
子供ッ…いや女だったとは…ッ！」
カイネ 「なんだとっ！…Aが王騎の娘？！」
公孫龍の一言に、周りの兵士も動揺が広がる。
そして、もう一人の大物も彼女に目を向ける。
呂不韋 「…ほぉ。
(あの歌声は素晴らしかった。
…あの女は磨けば磨く程、これから金になる。
王騎め、隠しておったな。
それに加えてあと美貌……
どこか美姫を思い出させるが、
…決定的に何かが違う。
アレには儚いながらも、自分の意思がある…。
光り輝く宝石というより、自らの力で咲き誇る華…まさに中華の華にふさわしい…！ )」
呂不韋が自らの髭を撫でながら、思案していると
渦中の人物が思いもよらない事を口にする。
李牧 「A…やはり、そうでしたか。
貴女には私を殺す権利がある…。
今ここで死んでも文句は言いません。」
カイネ・趙兵「「……李牧様ッ！？！」」
秦国側 「「「……なにッ！？！」」」
公孫龍 「李牧様…！油断してはなりませぬ。
その女は、渉孟を討った危険人物ですぞ…！」
同盟を結んだからといって、所詮1、2年の間だけ。
今…中華全土が注目するこの男を殺せるならば、秦国も王騎を失った悲しみを晴らし、武威を復活させる事が出来る。
皆我に返り、この顛末がどう転ぶのかハラハラと見守る中、視線は歌姫の元に注がれる。
表情には出さずとも、
その瞳には燃えたぎる憎しみの炎が宿っていた。
Aはゆっくりと目を閉じて
在りし日の父の姿を思い出す。
そして、忘れもしない…最後の言葉も。
身体が震える……。
失ってしまった大切な人を思うと、気持ちが熱くなって感情がコントロール出来ない。
何もしてないのに、息が上がり、呼吸が苦しい。
涙で潤む瞳で、目の前の李牧を見つめる。
最愛の父の仇……。
私から大好きな父を奪った人。
その者が、今復讐を果たしても良いと
そう自分に告げている。
こんな所で涙を流したくない。
弱みを見せたくない。
…Aはゆっくりと息を吐いて
自分の想いを彼に告げた。
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ナタデココ(プロフ) - キングダム夢小説でこんなにいい小説に出会えるとは思いませんでした🥺♡お気に入り作者にも登録しようかと思ってます😌❤︎本当に宜しかったら、王騎様救済ルート、作って貰えませんか？ (10月4日 22時) (
レス) @page22 id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - ちさとさん» リクエストありがとございます！外伝の方で書いてみますね。いつかパパシリーズも書きたいと思ってます！ (2020年9月2日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと - 本編と関係なく政や信と結ばれるお話ぜひお願いします！！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月1日 16時
