【王賁】可惜身命.7 ページ1
真っ赤に染まったAには、分からなかったが、背中越しの王賁の顔も真っ赤だった。
突然の抱擁に、ビックリして声が裏返る。
A「急にどうしたの…？
いつもの王賁くんらしくないよ…」
王賁 「A…この際だからはっきり言う。
俺はお前に、戦に出て欲しくない。
…王騎が死んで、
もうお前には、戦う理由はなくなったはずだ」
その言葉に、今まで触れないようにしていた心に
刃が刺さったような痛みを感じた。
さっきの赤い顔がどこに行ったのか、
今にも倒れそうな程…血の気を無くした。
A「…やめてよ」
口から漏れたのは拒絶。
消え入りそうな声が、王賁まで届いたか分からない。
王賁 「…A」
A「っ…やめてッ！！！」
「王騎が死んだ」…その言葉がグルグルと頭の中に渦巻く。忘れたふりをして、見ないようにしてきた、その傷に触れられたくなかった。
初めて大声を上げて、
王賁から逃げようとするA。
しかし、 王賁は強い力でAの腕だけは離さなかった。
A「ゃめてッ！…離してよっ！
…王賁くんなんか大嫌いッ！」
王賁 「……！」
ぽろぽろ…と、宝石のように流れる涙。
それだけ、彼女の中で王騎の存在が大きく残っていて、今もなお彼女を死地に引き摺り込もうするソレに王賁の眉間の皺がより深くなる。
バタバタと必死で暴れる彼女に、
王賁も冷静ではいられなくなった。
力任せに掴んだ腕を、引っ張って
彼女を床に叩きつける。逃げられないように、両手で彼女の手首を抑え込んだ。
それでも、泣きながら必死に唇を噛んで
抵抗しようと自分を睨みつけるA、
…違う。
…こんな事がしたいんじゃない。
俺は、お前に傷ついて欲しくないんだ。
だって…
王賁 「お前が好きなんだッ！！！」
もはや、怒鳴るようにぶつけた言葉は
愛の言葉だったーー
両手を拘束され、泣きながら睨みつけていたAの目が驚きで開く。
しまったッ！と拘束を解いて、
自分の口に手を当てる王賁。
自分が将軍になるまで、Aに言うまいと心に決めていた言葉。
自分でも信じられなかった…。
それは、自分を律し続けた王賁が、
初めて感情的に動いた瞬間だった。
拘束を解かれ、自由になったAだったが、
頭が混乱してキョトン…と身動き一つ取れなかった。
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ナタデココ(プロフ) - キングダム夢小説でこんなにいい小説に出会えるとは思いませんでした🥺♡お気に入り作者にも登録しようかと思ってます😌❤︎本当に宜しかったら、王騎様救済ルート、作って貰えませんか？ (10月4日 22時) (
レス) @page22 id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - ちさとさん» リクエストありがとございます！外伝の方で書いてみますね。いつかパパシリーズも書きたいと思ってます！ (2020年9月2日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと - 本編と関係なく政や信と結ばれるお話ぜひお願いします！！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 382e67ae5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月1日 16時
