・Lie...47 ページ47
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「は… ⁇」
お母さんは疑うように赤司を見る。
「何言ってるのよ。この子が大切なら、他の人も大切とか言うんでしょう?」
不思議と手に力が入る。
「Aだから大切なんだ」
「…っ」
「どうして?」
「どうしてと言われれば困るけど、」
「……」
「Aが好きだから」
「なっ…」
「す…、き…… ⁇」
「あぁ、好きなんだ。だから大切なんだ」
「ちょっと!バカなこと言わないで‼」
好きって…、私を?
こんな、無愛想な私を?
カァァっと熱くなる頬を冷たい手でおさえる。
告白された訳じゃないのに、期待してしまう自分を消したい。
「僕は本気だ。Aを愛することだってできる」
「何が愛するよっ‼恋と愛は思いが違うのよ⁈」
「そんなこと、知っている」
怒鳴る母を鋭い目で見る赤司に偽りはなくて、ドキドキと胸が高鳴る。
「たかが、14や15で…ッ」
「……」
「本当の愛が分かるって言うのッ⁈」
バンッと持っていたカバンを地面に叩きつける。
その時の母は怒りに満ちて震えた声だった。
「何も分からないくせに…」
「___ッ」
もう、あの時のようなお母さんは見たくない。
「分かるよ!!!」
いきなり、声を上げる私に母は肩を上げた。
「A…」
「私は、私が思う愛なら分かるよ」
「愛されたこともないくせにッ」
「確かに愛されたことない。でも、恋って、愛って、どんなものか時々考えたことがあったの」
「……」
時々…、ううん。ほぼ毎日。
「全然違いなんか、分からなくてどちらにしろ一緒じゃないかって思ってた」
思いの重さかなとか、そんなのぐらいしか分からなくて。
「けど、今なら分かった気がする」
「……」
「恋は自分のため、愛は相手のためだと思う」
「何が言いたいのよッ」
「恋は相手を本気で好きになることで、愛は相手の嫌いなところまで好きになること」
「…」
「違いって難しいけど、恋は奪うものだから。愛は与えるものだから」
自分の幸せか、相手の幸せどちらを願う?
「私、赤司をみるとドキドキした、期待してた」
「……」
「でも、それって、愛にたどり着くまでの道だった」
「私、赤司といると安心するよ」
「…‼」
「不安なんてない。安心しかない」
心が落ち着く赤司の隣。
暖かい赤司の隣。
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かのん(プロフ) - はにゃにゃさん» あわわわわわ!!感動なんて…とっても嬉しいです!はい、最近全然書けてませんが気長になってもらえるととても嬉しいです^^最後まで読んでいただきありがとうございました!! (2015年7月10日 22時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
はにゃにゃ - とっても感動しました!赤司様がカッコよすぎて…気づいたら泣いてました(本当です)これからも他の作品、頑張って下さい! (2015年7月10日 20時) (レス) id: f5f47fce80 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - マリィさん» ありがとうなのだよ!です^^/// (2015年4月3日 16時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
マリィ - 泣けるのだよ(キリッ (2015年4月3日 16時) (レス) id: 722c74a1be (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 黒蝶さん» わわわ!最後まで見ていただきありがとうございました^^そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいです//わかりやすく伝わっていればいいな、と思います><本当にありがとうございました! (2015年4月2日 16時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2014年11月23日 15時