・Lie...35 ページ35
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「……」
冷酷な目を向ければそらす奴ばかり。
パシッ
「え、Aちゃん…⁈」
桃井さんの手を引き、雑にドアを開け女子更衣室へ急ぐ。
早くしないと風邪ひくし、他の人に見られるのも嫌だろうし。
「はい、これ。ジャージだけど」
「え、でも…」
「ほら、置いとくから」
急だったけど更衣室に予備として置いてあったジャージを出して出た。
私が行っていない間に何が起きたのか知らないけど、これはきっと嫌がらせだろう。
…こういうの見ると、思うんだよね。
この腐敗した世界はなんなのだろうか。
親だって、友達だって、
みんなみんな、上辺だけの存在で。
「…ははっ、腐った世界にいるのは腐った人間ばかり。その中に私だっているんだろうね」
伏せた冷たい目を地に向けた。
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ちょっとしてから、桃井さんは出てきた。
「Aちゃん、ありがとう」
「別に」
素直に言えることが羨ましいと思った。
「あの…」
「何」
「なんでか聞かないの… ⁇」
「聞かれて思い出したい?」
「う、ううん」
あんまり、聞かれたくないと思う。
私だって昨日のこと思い出したくないし、
思い出してまた気分を壊すのもどうかと思う。
話したいなら自分から話した方がいいんじゃないのかな。
そのまま私の後ろについてきて教室まできた。
そこでピタッと止まる桃井さん。
「…ぅ、
…っもう辛いよ」
「……」
目に涙をため、声を震わす桃井さん。
「Aちゃんだから、話を聞いてほしいんだけど…、話してもいいかな…… ⁇」
……話したいと思うなら、
「本当に私でいいのなら」
すると桃井さんはためていた涙を流し、ゆっくり、ゆっくりと口を開けた。
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かのん(プロフ) - はにゃにゃさん» あわわわわわ!!感動なんて…とっても嬉しいです!はい、最近全然書けてませんが気長になってもらえるととても嬉しいです^^最後まで読んでいただきありがとうございました!! (2015年7月10日 22時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
はにゃにゃ - とっても感動しました!赤司様がカッコよすぎて…気づいたら泣いてました(本当です)これからも他の作品、頑張って下さい! (2015年7月10日 20時) (レス) id: f5f47fce80 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - マリィさん» ありがとうなのだよ!です^^/// (2015年4月3日 16時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
マリィ - 泣けるのだよ(キリッ (2015年4月3日 16時) (レス) id: 722c74a1be (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 黒蝶さん» わわわ!最後まで見ていただきありがとうございました^^そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいです//わかりやすく伝わっていればいいな、と思います><本当にありがとうございました! (2015年4月2日 16時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2014年11月23日 15時