・Lie...23 ページ23
____赤司side
いつも授業をサボって、教室に行けば軽蔑した目をする。
ーー安藤 A
昨日初めて喋り、目を合わせたかもしれない。
だから、屋上にいるなんて知らなかった。
『だ、誰?』
そう言い振り返る安藤。
太陽の光のせいでよく見えないけど、
ピタッとあった目から涙が散ったように見えた。
興味がなさそうな冷めた会話をした後スタスタと僕の横を通って行く安藤を目で追う。
凛とした綺麗な顔立ちなことは分かったけど、
その冷ややかな目には
『寂しい』『呆れ』『悲しい』『憎い』
など、色々な感情の入った目をしていた。
何があったのかは知らないけど、
なんでか僕に似ていて少し気に入った。
次の日では黄瀬に、
"Aっち"
そう呼ばれるようになっていて何があったのか、すごく気になった。
何気に、普通に喋る二人を見て少し苛立ちを覚えたりもした。
自分には分からない感情だけど、気に入った人間を取られると嫌だという根本的な感情なだけとも思ったりもする。
普段僕は皆から、見透かされた気がすると言われるが安藤も僕を見透かしているような気がして、
ふと、昨日の屋上のシーンが頭に過る。
心のどこかで泣いていた安藤を心配する自分。
だんだんと時間が経つ連れに気になって、屋上で待ってみたらやっぱり来た。
読んでいたページにしおりを挟み、本を閉じ同時に聞きたいことを聞く。
「学校、楽しいかい?」
「何で」
今では反対側にいるらしいけど、眠そうな声が聞こえる。
「いいから」
「…まったく。つまらない」
無感情なまま言っているような声のトーン。
「辛い事とかあるか?」
「別に。辛い事はないけど」
「そうか…」
辛いこともない…か。
……なら、なんでた?
どうしてだ?
よく分からない僕にはグルグルと"なんで?"が積もっていく。
聞くのが早いと思い、変に焦っているのを落ち着かせるため少し息を吐いた僕は口を開いた。
「…昨日、なんで泣いていたんだ?」
僕の問いと同時に空気がピリッと止まった気がした。
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かのん(プロフ) - はにゃにゃさん» あわわわわわ!!感動なんて…とっても嬉しいです!はい、最近全然書けてませんが気長になってもらえるととても嬉しいです^^最後まで読んでいただきありがとうございました!! (2015年7月10日 22時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
はにゃにゃ - とっても感動しました!赤司様がカッコよすぎて…気づいたら泣いてました(本当です)これからも他の作品、頑張って下さい! (2015年7月10日 20時) (レス) id: f5f47fce80 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - マリィさん» ありがとうなのだよ!です^^/// (2015年4月3日 16時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
マリィ - 泣けるのだよ(キリッ (2015年4月3日 16時) (レス) id: 722c74a1be (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 黒蝶さん» わわわ!最後まで見ていただきありがとうございました^^そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいです//わかりやすく伝わっていればいいな、と思います><本当にありがとうございました! (2015年4月2日 16時) (レス) id: d7e3fe352d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かのん | 作成日時:2014年11月23日 15時