よく言うよ、そんな綺麗事【赤司征十郎】

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ﾁｭﾝﾁｭﾝ




鳥の鳴き声。

ーー今日も嫌いな朝の始まり。



だいぶ、早く起きてしまい天気予報だけ確認して家を出ることにした。




画面のマークには太陽と曇りのマーク。




晴れのち曇り……か。


当たるか分からないけど。



早く家を出たいという気持ちが足を早くする。




ｶﾞﾁｬ


「……」



特に何もない道路に多少の水たまり。

それを避けながらコツコツと歩く。



流石に時間が早いから誰もいないか…








_______ｻﾐｼｲ





頭を過る変な感情。



……っそんなはずない。


それを誤魔化すように違うことを考える。





__ﾍﾟｼｬ


前の方から、水たまりが跳ねる音がした。


下に向けていた顔を少し上げる。



見えたのは、赤髪の後ろ姿。



「はや…」



こんな時間にいるなんて早いものだ。

この2日間でどれだけ会うのか…



ポケーッと見てると急に赤司は止まった。


それに少し驚いた私は、反射的に止まってしまう。



「やぁ、おはよう」

「…おはよう」



少し離れていたのに気づくなんて、後ろに目でもあるのかと疑いたい。




「早いんだな」

「あんたもね」




止まった赤司を抜き去ろうとして早歩きにする。


すると、赤司も足を進めた。




「良ければ、一緒に行かないかい？」

「……」





昨日からいったいなんなんだ。


何がしたい。



そもそも一緒に行く気なんて私にはない。



"無理"



そう言おうとした時と同時に、







「Aっちぃぃぃぃいいい」








変なあだ名で呼ばれた気がした。




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