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ページ26

「悟と同棲するの嫌なんだってね」

「え」



最近硝子ちゃんが業務多忙で疲れているという情報を仕入れた私は、手土産に珈琲を持って突撃

そして突然のデジャヴな状況に思わずフリーズする


「ま、まさか伊地知くん…?」

「伊地知?…いや、最近悟が事あるごとに言ってくるんだ。何か理由知らない?ってさ」


硝子ちゃんに直接聞くなんて、私が思う以上に悟くんを悩ませてしまっているらしい

情けないな、と反省した


「…はい、どうぞ」

「酒じゃないの?」

「お酒はダメ!」


珈琲を手渡すとまさかの酒を所望され慌てて言い返すと硝子ちゃんは「冗談」と笑った…多分冗談じゃない


「……悟くん、ってね…、今住んでる家、持ち家なの…」

「ん?ああ、そうだな。気に入って買ってたな」

「多分一緒に住むんなら私が悟くんの家に移ることになって…」

「あんなボロアパートからいきなり高級マンション!…え、何?嫌なの?」

「ボロアパート…」


確かに否定は出来ないけど酷い…気に入ってるのに

拗ねたように硝子ちゃんを見ると肩を竦めてみせた


「……悟くんの家に、いたくないの」


私の言葉に硝子ちゃんは驚き目を見開き、理由を尋ねるため口を開こうとするが何か思い至ったのか口を閉ざしてしまった

珈琲に口を付けながら考えを巡らす様はアンニュイな雰囲気を持つ美女そのもので、無い物ねだりと分かっていても羨ましくなってしまう

追求すべきかしないべきか

確かな気遣いと優しさを持つ硝子ちゃんは決めかねているのだろう

その様子から硝子ちゃんが推測した答えは…合ってると確信できた


「他の女の人と会ったのは別れた日の一回だけじゃないの…悟くんは知らないだろうけど一度最中にも訪ねちゃったことがあって」

「…あのバカ」

「えへへ!まぁその後3ヶ月位は夜も断って余所余所しくなっちゃったけどねっ」

「……」


できるだけ明るく言ったつもりだが話題が話題なだけに、どうしても暗い雰囲気になってしまう

…きちんと話し合ってけじめを付けた筈なのだ


彼には私しかいなくて、私には彼しかいない


それが分かった今でも私以外の女の人が知ってる悟くんがいると思うとどこか悲しくて、苦しくなってしまう



「…だからもう少し…私の中でこの感情が風化するの待ってるんだあ」



まだ少し


私の中であの家は…辛いところだから

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- わー!めっちゃすきです! (2021年3月13日 19時) (レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 舳さん» 嬉しいっ!!ありがとうございます!(´▽`) (2021年2月25日 19時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しんどい…語彙力失いましたとても好きですありがとうございますヽ(;▽;) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 1f83f3c66d (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - かのんさん» かのんさんの欲望の塊を楽しみにしてます((( ・`ω・´)キリッ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます!これからも欲望のまま書きなぐります!(o≧▽゜)o (2021年2月21日 15時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月17日 8時

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