▼ ページ23
「おっこつくん？」
「はい」
渡された資料に目を通しながら反復すると律儀に伊地知さんが返事をしてくれた
おっこつ…乙骨…珍しい字だなぁ
「一時秘匿死刑が決定しかけましたが五条さんが阻止して、この高専で転入…というよい云わば監視することになりました」
今朝の悟くんの早起きの理由を理解する
本人ではどうしようもないことを秘匿死刑だなんて…しかも本人もそれを望んでいるらしい
まだ15、6の男の子が死を望むなど余程の辛さや哀しみを抱えているに違いない
利己的な考えからであるとは思うが、それを阻止した悟くんがなんだかとても誇らしかった
「では転入の手続きやそれに伴う申請は全て行っておきます」
「ありがとうございます、助かります」
「こちらこそ！不規則な勤務体制でご迷惑お掛けしていますっ」
ペコリと頭ん下げると焦った顔をした伊地知くんが自分の顔の前でブンブンと手を振った
「私なんかは逆に助けられてますよ！お陰で最近は定時に帰宅できることが多くなりました…」
目尻下げ笑う伊地知くんに嬉しくなりつられたように微笑む
「そう言って貰えると嬉しいな…また何かあったら声掛けてね？」
「は…いぃぃい！！！！」
え
「いやー、楽しそうで何よりだよ！僕の山田太一がお世話になってるみたいだね、僕の山田太一が！」
何で２回も言ったの…？
恐怖に引きつった伊地知くんに声を掛けるよりも先に耳馴染みの良い声が耳を付き、同時に後から抱え込まれる
驚いて落としそうになった書類は何とか死守した
「悟くん、もう用事終わったの？」
「もっちろーん！少しでも山田太一と一緒に居たいからね」
「ふふ、ありがとう」
「あ、そうそうコレ！」
抱きすくめられたまま、パラリと一枚の紙を目の前に出される
…制服のデザイン？
「もしかして乙骨くんって子の制服？」
「正解！話しは聞いてたみたいだねっ、まぁこんな感じでお願いするよ」
「勝手に決めちゃっていいのかな？」
「いいの、いいの！」
「そっかぁ、じゃあいっか！」
ええええ？！いいの？？！
私と悟くんの一連の会話を聞いていた伊地知くんはあんぐり口を開けて心の中では盛大に突っ込んでいた
しかし保身のため口には出さない
伊地知は出来る男だった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 930人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
√ - わー！めっちゃすきです！ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 舳さん» 嬉しいっ！！ありがとうございます！(´▽｀) (2021年2月25日 19時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
舳(プロフ) - しんどい…語彙力失いましたとても好きですありがとうございますヽ(；▽；) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 1f83f3c66d (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - かのんさん» かのんさんの欲望の塊を楽しみにしてます((( ･`ω･´)ｷﾘｯ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます！これからも欲望のまま書きなぐります！(o≧▽゜)o (2021年2月21日 15時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かのん | 作成日時：2021年2月17日 8時
