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＊
「待ってください。配属聞く前に、先に言わせてください！」
にっこりと笑いかけると…やっと目を合わせてくれた。
確かにきっとわたしが伝えなきゃ、ずっとこのままかもしれない。
目の前のこの人は、優しくて、思いやりがありすぎて、自分より人のことばっかり考えてて、
それに、ちょっぴり臆病で、照れ屋さんだから。
ゆらゆら揺れる瞳を見つめながら、小さく息を吸う。
「わたし、大吾さんのこと好きです」
大吾さんはかたまったまま。
一度は閉じた赤ちゃんみたいに柔らかそうな唇だけが、また開いた。
「もう一回わたしのこと好きになってくれませんか？」
きっとたくさん傷つけたし、もう遅いかもしれない。
遠回りばっかりして、頼りっぱなしで何もしてあげられないかもしれない。
それでも今1番そばにいてほしいのは、目の前の君だって、狂ってしまいそうなほど脈打つ心臓の鼓動が教えてくれる。
「本気で…言うてんの？」
大吾さんの瞳の中のわたしが、きらきらと滲んでる。
こくんと頷くと、大吾さんの手のひらが震えながら自分の口元をおさえた。
「そんなん…俺、これ以上Aのこと好きになったら、しんどくてかなわん」
小さく震えた声に混ざって、涙が一筋、白い頬を伝う。
「なんですかそれー！」
溢れてしまいそうなあったかいものが胸の中に広がって、わたしは笑いながら、愛しくて仕方ない頬に流れる涙に手を伸ばした。
伸ばした手首をそっと掴まれる。
「A、好き…やで」
涙声でくしゃっと笑った顔に…倒れそう。
「ううん、嘘、大好き」
泣き笑いみたいな顔にチラリと八重歯が見えたと思ったら、そのまま腕の中に引き寄せられて、ぎゅっと抱きしめられる。
…同じ気持ちにたどり着いてたのかな？
好きを噛み締めると、幸せで胸がいっぱいになる。
腕の中からちょっと見上げると…大吾さん、まだ泣いてる。
「ふふっ。嬉しい」
もう一度大吾さんの胸に体重を預けてぎゅっと抱きしめ返す。
「やめて。ほんま。無理。死ぬ」
「えー、幸せなんで、今死ぬのはやめてください」
「死んでもいいもん」
そんなかわいいことを言われたら、好きが溢れて困る。
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Bear(プロフ) - 最後に涙腺が崩壊しました。こんなに最高な作品にはしばらく会えなそうです (2021年12月14日 22時) (
レス) @page45 id: 3daf0f2645 (このIDを非表示/違反報告)
むたむた - どんでん返しに泣きました。夜通し読んじゃいました。ステキな作品をありがとうございます！！！ (2021年6月3日 4時) (レス) id: 738b505511 (このIDを非表示/違反報告)
林芽亜里 - 一気に完結まで読み尽してしました！！もう素晴らしすぎて(*´∇｀*)最初は、正門くんとハッピーエンドを迎えると思っていたけど、大吾くんと最終的に結ばれて、思ってもいない展開でビックリしました(^｡^)幸せな時間をありがとうございました(#^.^#) (2020年5月27日 22時) (レス) id: 9f77b0a91a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - もう最高でした！！大好きなまさにしのお話ってだけでも嬉しかったのにこんな素敵なお話、もう最高すぎました！この作品の大ファンになりました！！楽しい時間をありがとう！また書く機会があったら楽しみにしてます！！ありがとうございました！！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: db8a594314 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 初めは正門くんとエンド迎えるんかなって思ってたんですけど最後西畑くんと幸せになっててびっくりとよかったなって涙出ました！！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: ee2a92e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華音 | 作成日時：2019年5月16日 22時
