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＊
新大阪駅。
この1年間ちょっとで何度も来た、切ない思い出がいっぱいの駅。
誰かを見送ることはあったけど、誰かを待ってるのは新鮮な気分になる。
足早に通り過ぎていく人たちは誰のもとへ帰って、イヤホンをさしている人たちはどんな音楽を聞いてるんやろう。
乗り継ぐとしたら御堂筋線だから、きっとここ通るはず。
改札から少し離れたところで待ちながら、正門さんを見送った日もこの景色を通って一緒に帰ったなぁ…なんて思い返してると、
スマホの時計が大橋さんに教えてもらった到着時刻をさした。
人波の中にスーツ姿のさらさら流れる黒髪を探す。
ひとりぼっちの夜でも、人混みに埋もれてても、いつも絶対わたしを見つけて微笑んでくれた人。
だから、きっと、わたしも見つけられるはず。
時が止まって、浮かびあがってくるみたいに目に入る、
ちょっぴり猫背で背は高くないけど、長い睫毛が揺れる綺麗な横顔。
だけど背広を腕にかけて、ワイシャツを腕まくりした手首は男の人って感じがする。
…ほら、やっぱり、わたしはいつのまにか大吾さんを見つけられるようになってしまった。
きゅんと高鳴る胸が教えてくれる。
それはきっと…
大吾さんが特別だから。
「おかえりなさい！大吾さん！」
「…？A？？」
見逃されちゃわないように、思い切って飛び出したら、大吾さんは金魚みたいに口をパクパクさせて立ち止まった。
「え？夢？」
大吾さんが怪訝な顔でごしごしと目をこする。
「ちょっとやめてくださいよ、本物です」
つい笑ってしまいながら近寄って顔を覗き込むと、驚きでいつもより更にくりくりとした瞳にわたしが映る。
「なに…してんの？」
大吾さんは小さな声でそう言うとふわっと目をそらした。
「大吾さんに会いにきました！言いたいことがあって」
勢いにまかせて言い切ったけど、鼓動が早くなって心臓がぎゅうぎゅうと苦しい。
もう一回ぱちぱちと長い睫毛が揺れて、大吾さんの半開きのままの口が動いた。
「あぁ配属？！連絡しやんくてごめん。その…なんていうか…」
大吾さんはちょっとあわあわしながら、まだ目をそらしたまま頭をかいた。
なんかかわいいなぁなんて失礼なことを思ってしまって、ふっと肩の力がぬける。
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Bear(プロフ) - 最後に涙腺が崩壊しました。こんなに最高な作品にはしばらく会えなそうです (2021年12月14日 22時) (
レス) @page45 id: 3daf0f2645 (このIDを非表示/違反報告)
むたむた - どんでん返しに泣きました。夜通し読んじゃいました。ステキな作品をありがとうございます！！！ (2021年6月3日 4時) (レス) id: 738b505511 (このIDを非表示/違反報告)
林芽亜里 - 一気に完結まで読み尽してしました！！もう素晴らしすぎて(*´∇｀*)最初は、正門くんとハッピーエンドを迎えると思っていたけど、大吾くんと最終的に結ばれて、思ってもいない展開でビックリしました(^｡^)幸せな時間をありがとうございました(#^.^#) (2020年5月27日 22時) (レス) id: 9f77b0a91a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - もう最高でした！！大好きなまさにしのお話ってだけでも嬉しかったのにこんな素敵なお話、もう最高すぎました！この作品の大ファンになりました！！楽しい時間をありがとう！また書く機会があったら楽しみにしてます！！ありがとうございました！！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: db8a594314 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 初めは正門くんとエンド迎えるんかなって思ってたんですけど最後西畑くんと幸せになっててびっくりとよかったなって涙出ました！！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: ee2a92e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華音 | 作成日時：2019年5月16日 22時
