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＊
「配属の希望、なんて書くんですか？」
しゃがみ込んだまま、大吾さんが拾ってくれた荷物をバックに入れながら、小さな声で聞いた。
「え？あぁ、なんで？」
そりゃ、本当に東京に行っちゃったらいやだからですって伝えたらなんて言うだろう。
「大阪だといいなって思っただけです」
大吾さんが膝をついて手を動かしながら、クスッと笑った。
「それじゃまるで俺がおらんとさみしいみたいやんか」
「さみしいですよ。大吾さんはわたしがいなくても全然平気ですか？」
バックから顔をあげると、お酒とは違うほんのり赤く染まった頬がわたしを見つめていた。
「それは…」
大吾さんはパッと目をそらすと、遠くの方まで飛んでしまった最後の荷物に手を伸ばした。
「A、これまだ持ってたん…？」
大吾さんは拾ったそれをびっくりしたように見つめてる。
「え？あーっ…き、今日は大事な日だったからです！！」
わたしは大吾さんの手のひらにのせられたそれを慌てて取り上げた。
大吾さんの長い睫毛がぱちぱち揺れて、視線がわたしの口元へ動く。
2年前の誕生日にくれた桃色のリップ。
「配属決まったら連絡するから。Aも結果わかったら教えろよ」
大吾さんはまたパッと目をそらすとわたしの腕を持って立ち上がらせた。
背広の胸ポケットにささってるボールペンがチラリと見える。
「はい！」
同じ気持ちでありますようにって願いながらにっこりと笑うと、愛しい顔は少し照れくさそうに微笑んだ。
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Bear(プロフ) - 最後に涙腺が崩壊しました。こんなに最高な作品にはしばらく会えなそうです (2021年12月14日 22時) (
レス) @page45 id: 3daf0f2645 (このIDを非表示/違反報告)
むたむた - どんでん返しに泣きました。夜通し読んじゃいました。ステキな作品をありがとうございます！！！ (2021年6月3日 4時) (レス) id: 738b505511 (このIDを非表示/違反報告)
林芽亜里 - 一気に完結まで読み尽してしました！！もう素晴らしすぎて(*´∇｀*)最初は、正門くんとハッピーエンドを迎えると思っていたけど、大吾くんと最終的に結ばれて、思ってもいない展開でビックリしました(^｡^)幸せな時間をありがとうございました(#^.^#) (2020年5月27日 22時) (レス) id: 9f77b0a91a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - もう最高でした！！大好きなまさにしのお話ってだけでも嬉しかったのにこんな素敵なお話、もう最高すぎました！この作品の大ファンになりました！！楽しい時間をありがとう！また書く機会があったら楽しみにしてます！！ありがとうございました！！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: db8a594314 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 初めは正門くんとエンド迎えるんかなって思ってたんですけど最後西畑くんと幸せになっててびっくりとよかったなって涙出ました！！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: ee2a92e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華音 | 作成日時：2019年5月16日 22時
