【カゲプロ】私の高校に転入してきたのは、鹿野くんでした。*２* (ページ8)

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｢よかったっすね、１位になれて！あ、そう言えば借り物は何だったんすか？｣

｢あっ、えっと……髪をヘアピンで留めている男の人です｣

｢だから俺が呼ばれたんすか～、呼ばれた時は驚いたっすよ！まさか自分が出るとは思わなかったっすし！｣

緑色のハチマキを頭につけた先輩は、そう言うと口を大きく開けて笑う。

｢あぁ、そう言えば名前は何ていうんすか？｣

｢あ、天海Aです｣

｢Aさんっすね、俺は２年３組の瀬戸幸助っす！それじゃ、またどこかで！｣

瀬戸先輩はそう言うとにこりと笑って私の手を握っていた手を離し、係席の方に走っていった。そして私は他の選手と一緒に退場し、修哉がいる応援席に戻る。
確かこの次は昼食だよね。今日は早起きして木戸先輩と一緒にお弁当作ったし、修哉に食べてもらいたいな……。

｢あっ、Aちゃんおっかえり～、１位おめでとう♪ おまじない、効果あったらしいね♪｣

｢え？あっ……｣

私は修哉にニコニコの笑顔でそう言われ、先程おでこにキスをされた事を思い出して顔に火がついたかのように熱くなった。

｢……ぷっ、Aちゃん思い出しただけで顔真っ赤にしちゃって……ホンット、超可愛い♪｣

｢～～っ!!｣

そう言うと修哉は私の髪をかき混ぜるかのように私の頭を撫で、頬と鼻先に軽くキスをした。

｢んじゃ、お弁当食べよっか♪｣

｢うんっ！｣

私達がリュックの中からお弁当を出して食事の準備をしていると、私達に２つの人影がかかった。