____…第19話…____ ページ19
「びっくりするほど似合ってませんよ。キヨさん。」
扉の方から、抑揚のない声が聞こえた。
驚いて二人で振り向くと、つわはすさんが無表情で立っていた。
「そりゃどうも。おいお前。Aはどこにいる。」
「おしぼりー。フジさんとキヨさん見つけたよ。」
キヨの質問には答えず、耳につけた無線のような物で、誰かと会話している。
おしぼり?って誰だろう。
すると、短気ですぐ拗ねるキヨは、質問に答えてくれないつわはすさんを睨んだ。
そして、下を向いて、小さく笑った。会話を終えたつわはすさんは、そんなキヨを見て首を傾げた。
「ほぉ…お前ら、無線なんて格好いいもん持ってんのか…」
「……普通、遠くにいる仲間に何かを伝えるときは、無線を使いませんか?」
するとキヨは、執事服を勢いよく脱ぎ、ピンクのパーカーを着た。
顔を上げたキヨの表情は……ブチギレてる時の顔だった。
「普通、仲間を呼ぶときは、こうするだろ?」
そう言ったキヨ。待って。
待って。待って。凄く嫌な予感がする。お願いだから、早まらないで。
スウッと息を大きく吸ったキヨは、
血管が見えそうなくらい両手の拳を強く握りしめ、
世界が崩壊するほどの大声で、叫んだ。
「こくおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!フジを見つけたぞぉぉぉぉおおおおお!!」
俺が生きて来た中で、一番大きな叫び声だった。
長年、声が馬鹿でかいコイツと一緒にいたけれど、キヨが叫んだのは初めてな気がする。
本当に馬鹿なんじゃないの!?
鼓膜が破れそうになった。キヨが隣で叫ぶなんて、人生で嫌なことパート3に入る。
今までずっと表情を変えなかったつわはすさんも、これには耳を塞いで座り込んでいる。
ていうか、敵にバレないように、こっそり緑川さんと俺を救出してくれるんじゃないの!?
これじゃあ、城中の兵士が集まって来てしまい、終わる。完全に終わる。
むすっとしたキヨに、何してんの!?と怒ろうとした時。
「よくやったぁぁあああ!!今行くよぉぉおおおおおっ!!」
おおう!?あ、あの、ヒラさん!?
貴方まで何叫んでるんですか!?そんな目立つ行動ばかりしてていいのですか!?
「お前ら、頭おかしいんじゃないの……」
耳塞いだまま、明らかに怒っているつわはすさんがそう言った。
俺も正直、耳がキーンとしている。
「いや、これが俺達のやり方なんで。」
キヨが腕を組み、挑発するように笑った。
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
