____…第20話…____ ページ20
「執事ぃぃ!!良かったぁ…無事だったんだね……ほっぺた赤いよ!?どうしたの!?」
「うわあっ!?ヒラ、お前、どっから現れたんだよ…!?」
突然現れ、俺に飛び付いてくるヒラ。
今、この人、庭にいたよね?なのに、一瞬にしてこの部屋に現れた。……瞬間移動?
「うわー。面倒くさくなったねぇつわはすさん。この三人相手は、ちょっと無理なんだけど。」
いつのまにか扉に寄りかかって、パーカーのポケットに両手を突っ込んでいる眼鏡がいた。
それでも、ニヤニヤと余裕そうに笑う眼鏡。なぜだろう。何かを投げつけてやりたい。
すると、俺の隣に立っていたヒラは、白いフードを脱いだ。
明るい緑の髪の毛が、サラッと揺れる。
ヒラって、何のシャンプー使っているのだろう。どうしてあんなにサラサラなのか、興味がある。
今度教えてもらおう。
「ねえ、はすおくん、眼鏡さん。うちの秘書はどこ?」
白パーカーのチャックを開けながら聞いた。
チャックを開けきり、中の黒い長袖が見える。動きやすいようにしたの?
「…『教えない』って言ったら、どうする?」
眼鏡が言うと、後ろに立っていた兵士二人が、ヒラの首もとにクロスするように剣を構えた。
ニッコリ笑う眼鏡。
その時
剣を構えていた兵士二人の体が、真っ二つになった。
体から血が吹き出し、ヒラの真っ白なパーカーにバシャッとかかった。
その場が、凍りつく。
「殺すだけだよ。」
いつものように幼く笑って、そう言った。
太陽みたいに明るく笑う顔に、大量の血が付いている。……狂気を感じた。
ヒラの周りから、恐ろしい殺気を感じる。
その殺気に押されるように、俺は一歩後ろに下がった。キヨは、しまった、というように焦っている。
まさか、本当に殺すなんて。
…ねえ、ヒラ。もう人は殺さないんじゃなかったの?
ゆっくりと近付くヒラに合わせるように、つわはすさんも一歩下がる。
無表情のつわはすさんと眼鏡は、顔を見合わせた。
「お願い、教えて。Aちゃんはどこにいるの?」
暗く緑色に光る瞳。眼鏡の男は、うーん、と苦笑いした。
「どうする つわはすさん。僕、この人に勝てる気しないんだけど。」
「奇遇だね。俺もだ。素手で人の体を真っ二つに出来る化け物なんて、相手にしたくない。」
眼鏡は、苦笑いで口を開いた。
「でも、居場所は教えられないな。」
その言葉を聞いたヒラは、「…そっか」と笑った。
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
