†狂ったアナタは王子様†【実.況.者】

____…第35話…____ ページ35

「へぇ……君たちの事情なんざ知らないけどねぇ…
俺が何回そこのクソ眼鏡に蹴り飛ばされたと思ってんの……?」


ビクッと肩を揺らす三人。私も含め、恐る恐る振り向くと、

壁に寄りかかって、笑顔でこちらを睨み付ける………フジさん。


そうよね。あなたが一番の被害者よね。ていうか、目が覚めて良かったです。




その時、ガラスが豪快に割れる音がした。振り向くと、大きな窓の前に立つ



「キヨ様!まだ動いちゃダメですよ!!」


キヨ。大きなカマを持って、私の元に走って来た。
そして、ヒョイッとかつがれる。

え!?

右手に私、左手に、ずっと下を向いて黙っていた国王を持ち、窓から飛び降りた。
はあああ!?死ぬ!!何してんの!?


「おいA、暴れんな。フジ!!青いメイド頼んだぞ!!」

「りょーかーい。」


ぐっと力を入れて、上を向いて叫んだキヨ。
上を見上げると、ミクをおんぶして、フジさんが飛び降りた。


なるほど。これが 最近流行りの、仲良死ってやつですね。

みんなで飛び降りれば怖くない的なアレっすか。



「A。お前、ヒラよりも重いな。」

「うるさいな。知ってるよ。国王めっちゃ軽いもん。」

「ははっ。冗談だって。お前の方が、ギリギリ軽いぞ。」



ギリギリかよ。


ふと、隣に視線を移すと、さっきから何も言わず、下を向いて表情が見えない国王。

私みたいに、力が入っている訳でもなく、ダランッと、キヨにされるがまま。



「……おいヒラ。さっきアイツが言ったこと、気にすんじゃねえぞ。」



“偉そうしてんじゃねえよ。人殺し”



キヨが声をかけても、何も言わない。

意識が無いと思っていたけど、キヨ、聞いてたんだ。



と、高い高いお城から落下していた時、前方から何かが現れた。

どんどん こちらに向かって来ている。あれは……ヘリ!?



「ちょ、キヨ!!あのヘリ、こっち来てる!!てか、お城にぶつかるよ!?」


そう叫んだ瞬間、「捕まってろ」と言われた。体に大きな衝撃が走る。

舌を噛みそう。



プロペラの回る音が大きくて、耳が壊れそうだ。そして風で髪が抜けそう。

恐る恐る目を開けると、ヘリの上に着地していた。そして、隣にすごい勢いでフジさんとミクも着地。


あまりの衝撃で、着地した所がへこんでいる。キヨとフジさん足首強っ!!



そして、中に入ると、操縦していたのは……


「か、鏡音リンさん…!?」

「はい!!これでも私、ヘリの免許持ってます!!」


* * *


最終兵器・鏡音リン

____…第36話…____→←____…第34話…____

ラッキーアイテム

大きなカマ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す