Eight ページ9
「Aには...世界がどう見えてるんだ?」
『え...』
それは...どういう意味なのだろうか...
「...」
『えっ、と...どういう意味...?』
「おれの髪の色、わかるか?」
『っ...』
嘘...なんで...?
『わ、わから...ないよ...』
「...やっぱりか〜、お前色がわかんないのか?」
『...白と黒と灰色だけわかる...なんで色わからないってわかったの』
「なんとなく?まぁ、色の話振ると暗くなったりしてたしな〜」
もうだめだ、嫌われちゃったなぁ...
レオくんには嫌われたくなかった...なぁ...
「おれはそんなことでお前のこと嫌いになったりなんかしないぞ〜?」
『え...聞こえてた...?』
「思いっきり声に出してたからな!」
いつもならここで嫌われて終わりなのに...
『ありがとう...』
「こんな事くらいで嫌う方がおかしいだろ〜?あとそれは治らないのか?」
『奇跡が起きない限り治らないって言われてる』
「そっか〜...うーん...」
何かを考え始めたレオくん。
嫌われなくてよかったなぁ...
「あ!」
『!?』
「明日からおれがAに色を教えてやる〜☆」
『へ...?』
突然叫んだと思ったら突拍子もないことを...
「絶対に治らないって言われてるわけじゃないならもしかしたら治るかもだろ?」
『ま、まぁ...』
「赤ちゃんは生まれてすぐたくさんのことを一気に覚えるわけじゃなくて周りから教えて貰って色々覚えて成長していくだろ?」
『そう、だね...?』
「それと一緒でさ、一気に色を戻そうとする必要は無いんじゃないか?おれが少しずつ教えてやる!」
『...!!』
この人は...この人はなんでこんなに優しいんだろうか。
「A!?泣くなよ〜!!もしかして嫌か?」
涙が出てしまっていたみたいだ。
『ち、違うよ!嬉しくて...』
今までは...
『今まで私が色わからないって知ったらみんな...気味悪がって離れてっちゃったの...だから...こんなの初めてで...』
「そっかそっか〜、大変だったな」
『っ...』
「でももう大丈夫!Aがいいならおれは明日からお前に色を教える!いつか全部の色が戻るまで!だからもう悩まなくていいぞ〜☆」
『っ...ありがとう...!』
転校初日に目のことがバレるなんて初めてだ。
バレたのがレオくんでよかった。
明日からが楽しみだな〜っ!
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作者名:しゅうあ | 作成日時:2018年9月13日 17時