彼は何者 ページ8
その後彼らがどうなったかは知らない。
無責任ではあるけれど、やっぱり眠気が勝ってしまったのだ。
「なんでこんなことになってんですか」
数時間後、目覚まし時計に飛び起きて持ち場の食堂に来てみれば目を疑った。
その光景に、看守たちも唖然としていた。
「桂さ〜ん！！自分、隣いいッスか！？」
「構わんが」
「ヨッシャァ！」
夕食に集まった囚人たちは、１１４５を中心に円になり仲良くご飯を楽しんでいた。
多少、輪から外れている者もいるが、その大きさは食堂の半分くらいを占めている。
その中には、今朝１１４５と揉めていた筈の１１４０も中に居る。
そんな光景に、私たち看守は口をあんぐりと開ける。
「おお、看守殿」
未だぼんやりとその光景を眺めていた私は、突然の彼の声に我に返った。
彼はそんな私達の内心を知ってか知らずか、満面の笑みを私に向けた。
「看守殿も一緒にどうだ」
「い、いえ、私は公務中ですので」
突然のことでつい声が裏返る。
それくらいこの情景は異常なのだ。
日本各地からの上級犯罪者が集まるこの獄門島。
荒くれものばかりが集まるが故に、中は荒れ放題。
私たち看守もそんな囚人たちは手に負えず、見過ごしていた。
そして、看守と囚人たちの中は最悪。
囚人たちは、今のところは看守に手は出さないものの罵声などはよく浴びせられる。
彼らがまとまって食事をとる風景だなんて、まずありえない。
夢にも見なかった光景なのだ。
「あの人は・・何物なの」
荒れ果てていた獄門島の囚人たちを一瞬にして手なずけてしまう、そのリーダーシップ。
ここに来てもなお輝きを濁さない瞳。
ドクンドクン＿＿
生まれて初めての感覚だ。小さく心臓が脈を放つ。
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ゆり(プロフ) - あれ？終わりですか！？とても面白かったので残念です…。 (2017年5月7日 13時) (
レス) id: 16a2a2c0ee (このIDを非表示/違反報告)
蝸牛 - かっこいいです！更新頑張ってください！ (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c8917c2ad (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 続き気になります!!更新頑張ってください!!!! (2016年11月9日 6時) (レス) id: a243a73ee4 (このIDを非表示/違反報告)
霧助(プロフ) - かぁつらさん！！イケメンですね！更新頑張ってください！ (2016年8月23日 13時) (レス) id: 680443222a (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 紅夜桜さん» コメントと誤字訂正ありがとうございました！がんばります！！！ (2016年7月31日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神阿 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時：2016年6月19日 22時
