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白いお化け ページ16

「桂さん」
「看守殿、今日は一段と早いではないか」

「シッ!静かにしてください」


まだ囚人たちが眠りにつく手前、いつもなら私はこの時間は見回りをしている。
でも、そんなわけにはいかないのだ。


「看守殿・・?」


呑気に首を傾げる目の前の彼の肩を牢越しに掴んだ。


「何を泣きそうな顔をして・・」
「桂さん、明日、打ち首が決定しました」


いつの間にかボタボタと落ちてきていた涙は、地面に水玉模様を広げていく。


荒い呼吸を正しながら言う私に、桂さんは驚く様子もなくただ冷静だった。


「そうか」
「そうかって、貴方・・このままじゃ死んでしまうんですよッ!」

「看守殿、なぜそれを俺に伝えに来た」


声を荒げた私をなだめるように、桂さんは自分の肩に乗る私の手を取って握る。
ひんやりとした桂さんの手が、興奮して熱を持った私の体を冷やす。


「主が俺にそれを伝えるということは、看守殿、どうなるかわかっているのか?」


真剣な眼差しで目を見て問うのが彼の癖だ。
私はゆっくりと頷いた。


「・・言ったじゃないですか。私は犯罪者の子なんです。どうせ一生ここから出られない」
「いや、そう悲観しなくてもいい」


桂さんはそう断言すると、コンコンと軽く地面を叩いた。
すると微かに機械の音が聞こえ――・・


「間に合ったか、エリザベス」



地面から白いお化けが顔を出したのだ。

私の気持ち→←死ぬのが少し早くなるだけ



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ゆり(プロフ) - あれ?終わりですか!?とても面白かったので残念です…。 (2017年5月7日 13時) (レス) id: 16a2a2c0ee (このIDを非表示/違反報告)
蝸牛 - かっこいいです!更新頑張ってください! (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c8917c2ad (このIDを非表示/違反報告)
みくり - 続き気になります!!更新頑張ってください!!!! (2016年11月9日 6時) (レス) id: a243a73ee4 (このIDを非表示/違反報告)
霧助(プロフ) - かぁつらさん!!イケメンですね!更新頑張ってください! (2016年8月23日 13時) (レス) id: 680443222a (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 紅夜桜さん» コメントと誤字訂正ありがとうございました!がんばります!!! (2016年7月31日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/  
作成日時:2016年6月19日 22時

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