ヘッドフォンエネミー(4) ページ7
オレ、如月伸太郎は当時16歳という若さにして「自宅警備員」という、この国では割とポピュラーな職に就いた。
それから約2年。
駐在員として365日24時間、PCを構えて我が家の安全を守りつつ、某動画サイトに辛辣なコメントを落としたり、炎上祭りを盛り上げることを「生きがい」と定めては、今日も業務に励んでいる。
高校中退後のセカンドライフとして、現在は毎日ブルーライトを浴びては楽しく、そして腐りきった業務をこなしていた。
まぁ学校にバリバリ通っていた在りし日のオレも、どちらかというと自宅でPCを叩いていることの方が多かったので、相手と呼べる存在はいなかったのだが……。
つまり何を伝えたいのかというと、「オレはどうせ社会から忌み嫌われているクソニートで、彼女も彼氏もいたことないしもう学生ですらないので頼むからほっとけ」という、繊細なオレなりのメッセージだった。
だがこいつがそんなものを察してくれるはずもない。
「察せない」のではなく、「察さない」といったところであろうか。
一度最終手段としてこいつをデリートしてみたことがある。
明日からウイルスに邪魔されない天国の日々が始まるのなら、一瞬の罪悪感なんて軽いものだ。
だがそんな考えは甘かったのだと、オレはすぐに思い知らされることになる。
デリートした翌日。少々心が痛みつつも、清々しい気持ちでパソコンに向かうオレ。
しかし、次の瞬間顔から血の気が引いた。
画面では、オンライン上にバックアップでもあるのか、何食わぬ様子のエネが微笑んでいたのであった。
これには気力も削がれる。
どうせ、また削除ボタンを押したところで馬鹿にされるのはこちらなのだ。
神様も、酷な運命をオレに背負わせたものである。
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甘寧(本人) - あすみさん» あすみさん、はじめまして!おおおありがとうございます!書くのが上手い……(自分がアホ過ぎて)あまりピンと来ませんが、お褒めの言葉嬉しい限りです。更新、なるべく早く再開できるように頑張ります!ありがとうございます! (2015年7月28日 10時) (レス) id: 077743fc46 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - 初めまして。 私、こういうような書き方をする小説がとても好きでこの作品を見てとても書くのが上手いなぁと思いました。これからの更新がとても楽しみです!頑張ってください! (2015年7月28日 10時) (レス) id: ea9b626ffd (このIDを非表示/違反報告)
ゆるりら(プロフ) - もちろんです!楽しみにしてます! (2015年7月25日 19時) (レス) id: bb21b320ee (このIDを非表示/違反報告)
甘寧(本人) - ゆるりらさん» おお、ゆるりらさんではないですか!ありがとうございます(勉強してないとか言えない)ですよね!キドさんいいですよね!この小説でもキドさん出てきますのでその時はこのルートのキドさんもよろしくお願いします! (2015年7月25日 8時) (レス) id: 077743fc46 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるりら(プロフ) - 私もキドさん大好きです!カゲプロのキャラで断トツ一番です!受験、頑張ってください!! (2015年7月24日 19時) (レス) id: bb21b320ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘寧 | 作成日時:2015年5月8日 20時