〜君との景色〜【短編集】

バレンタインデー〜ラビ(義理チョコ？) ページ15

今日は、バレンタインデー。

女子たちがキャーキャー言って、男子にチョコを渡してる。本命で渡す子は、定番の呼び出しで渡してる。

……実を言うと、私は片思いをしてる。まぁ、ラビって言う奴に……ね？でも、隠してるし、本人はもちろんのこと、他の人だって気づいてないと思う。

カバンの中を覗くとオレンジのラッピングされたチョコレート。作ったのは良いんだけど…どうしよ？渡そうかな？……でもな…。

私がそう迷っていると、ひょこっと目の前にラッピングと同じ色をした髪の持ち主が現れた。

『っうわ！』

急いで鞄を閉じる。そう。コイツは、奴だ。ラビ。

「よっ！」
『どうしたのさ。』

いつもどうり。普通に話せ。意識するな。浅野A。

私の心臓は、バクバクだ。鞄の中を見られてないか。突然でてくるもんだから、変に意識しちゃうし。(ま、いまに始まったことじゃないんだけどさ。)

「今日は？」

ラビは、自分の手をマイクのようにして、私の口もとに近づける。

『……バレンタインデー』
「せーかーい！！」

ニカニカ笑いながら拍手をしてる。コイツの頭はいつもハッピーだな。

「ってことで、チョコちょーだいさ！」
『はぁ？！』

自分から言うとか、ありえないっつの！
……ま、まぁ、でも、渡せるんなら、一石二鳥と言いますか…。

『……はい。』

そう言って、鞄からオレンジのラッピングがされたチョコレートを取り出し、ラビに渡す。

「えっ？！まじで、用意してくれてたんか？！」
『…まぁね』
「俺、貰えないと思ってたさ！」
『いらないんなら、返して』

本当は、思ってないけど。

「もらうさ！……もしかして、義理チョコ？」

ラビの顔が、ニヤニヤしてる。いじってやろうとでも思ったんだろうか？それに素直に引っかかる顔が赤い私は馬鹿だろうか？

でも、告白するなら今だよね？
よし、言うんだ！私！

『…………義理チョコじゃないよ。』

ラビの顔が「え？」っていってる。
私の思い、伝わるといいな。




『義理チョコじゃないよ。……













友チョコ。』

結局無理でした。

(あー！どうして素直になれないかな？私！)

球技大会(お前が･････)→←缶あけ(…あ。)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す