熱(なでなで。) ページ13
……だるい。
頭はグワングワン、ギンギンするし、身体はすごく重たいし、女子特有のアレだし(しかも二日目)……最悪だ。
動きたくなかったので、そのままベッドで寝ていると、トントンと二回、部屋の扉を叩く音がした。でも、私には返事をする気力さえ無かったため、放置。
しばらくして、勢いよく扉が開く。開いた音が頭の中、全部を振動させる。やめて。
「おい!おきろ!休みだからって、さすがに寝すぎだ。何時だと思ってんだ。」
スタスタと足音が私に近づいてきて、たぶん「つねってやろう」とでも思ったんだろう。お兄ちゃんの手が私の頬をつまむ。
「……お前、熱あるんじゃねぇか?」
目を開けると眉間に皺を寄せ、少し心配そうな顔をしたユウ兄ちゃんがいた。
『……気持ち悪い。』
そう言うと、私の頬から手を離し、ため息をついた
「ったく。待ってろ。めんどくせェ」
妹が死にかけてるというのに、めんどくさいとはなんだ!なんて、言う事も出来ないぐらい、だるい。ボケーっとしていると兄ちゃんが部屋を出て行った。
今日はお父さんもお母さんも夜遅い。だから、家事は全部二人でやらなきゃいけない。ごめん、兄ちゃん。
兄ちゃんが帰ってきて、体温計を差し出す。それを受け取って体温をはかると
「……9.3かよ。はぁ。とりあえず飯食え。」
重い身体をなんとか動かしてそれを支えてくれる。ん。と、差し出され、兄ちゃんが作ってくれたお粥を食べる。味も熱のせいでわかんない。(まぁ、兄ちゃんの作る料理は大抵美味しいんだけどさ。)
もういいと、あまり減っていないお粥を渡す。チッ、と舌打ちをして立ち上がる。(舌打ちするか?!普通!)けど、私が服の裾を掴んで歩くのを阻止する。
「…んだよ」
『……ここにいて』
我ながら柄じゃないなと思いつつも、人肌が恋しい私は、兄ちゃんに頼んだ。そしたら(また)舌打ちをしつつも傍にある椅子に腰をかけてくれた
「ガキ」
うるさい。なんて反論も出来ず、そんなこと言いながら傍にいてくれる兄ちゃんに、(初めて)感謝した(かもしれない)
近くに人がいると言う安心感にゆっくりと目を閉じた。すると、頭に手が乗ってきて、なでなでしてくれてる。何年ぶりだろう?兄ちゃん冷たい手がすごく気持ちいい。
「早く治せ。」
その言葉とともに私は夢の中に安心して入っていった
(兄ちゃん!元気になった!治った!元気!いえい!)
(うるせェ!一生熱出してろ!治んな!)
(そんなこといって〜)
(黙れ!!刻むぞ!)
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ozだぁ〜 - もう、みんなかっこいいです!特に神田ユウ様っ!!また読み返します! (2021年4月29日 13時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - ホント久しぶりーー!!またよろしくねー(*´∀`) (2017年3月6日 22時) (レス) id: 01d6e1d1a3 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 桐宮さん» 初めまして!遊びに来て頂けてとても嬉しく思います!!面白いって言ってくれるなんて!!涙が出てきた!笑 これから再開しようと思うのでよろしくです!! (2016年12月28日 20時) (レス) id: d2295ce07c (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 鈴音さん» ひさしぶりー!!!!ずっと更新してなくてごめんー!!また再開しようと思うのでよろしくです!! (2016年12月28日 20時) (レス) id: d2295ce07c (このIDを非表示/違反報告)
桐宮 - 初めまして☆ 続きあるんですね?あ、脅しじゃないですよ。これ面白いから、続き読みたいなー。なーんて思ったわけですよっ☆ 頑張って下さい! (2016年12月1日 2時) (レス) id: a7d473c89c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちろ | 作成日時:2015年3月18日 17時