太宰さんの妹さんは病弱なようで

19話『黒の時代４』 ページ20

『お兄ちゃんが私の為にしてくれたのも分かってる。

でも...今回は部下を守れなかった私の責任だから皆を傷付けないで！！』


私の妹とはとても思えないね...。



「...Aがそう言うなら分かった。


でも、Aの直属の部下は変えるからね」



『...うん。中也兄 下ろして』

「あぁ」


中也に下ろしてもらったAはゆっくりと私の元へ来た。


『お兄ちゃん。ありがとう


やっぱりお兄ちゃんは優しいね』


優しい笑顔で言ってくれたAに私は抱き着いた。

「こんな兄でも優しいと言ってくれるのかい？」

『優しいよ。私の自慢の家族だもん！』


この子は親の顔すら知らない

それなのになんていい子に育ったんだろう。

「ありがとう...君も私の自慢の妹だよ」



Aは私の唯一の光で生きる希望なんだ。

何がなんでも守らなければならない存在。




世界を敵に回してもいい






それだけ君を愛してるよ。



『お兄ちゃん...私、まだ傷が治りきってないから疲れちゃった。 まだ少し寝させてね...』


「もちろん。おやすみA」

余程、疲れて居たのだろう。

数秒後には規則正しい寝息が聞こえてきた。



私はAを優しく抱き上げ 部下達を見た。


「Aに言われたから 今日はもう、しないけど
君達を許したわけじゃないからね。





まぁ、私が君達を認めたら もう一度 Aの直属の部下に付いてもらおうかな」


部下達は嬉しそうな仕草をしていた。

とてもいい上司だからねAは。


「甘めェな」

「君ほどじゃないさ」




そう言い残し 私はAを抱いて訓練所を出た。









この兄妹がマフィアとして会話をするのは


これが最後になるとも知らずに。

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