太宰さんの妹さんは病弱なようで

16話『黒の時代』 ページ16

___数年前


「太宰幹部 今日は一段と機嫌が悪いな...」

「今のあの人に話し掛けられる人なんて居るのか？」

ポートマフィア本部ではそんな声が聞こえた。


そう言われているのは太宰治

歴代最年少幹部だ。



機嫌が悪い理由は

任務に失敗した訳でも

部下がヘマをした訳でもない。



理由は簡単


幹部が愛してやまない妹が任務から中々帰って来ないからだ。


今回は妹が任務に行くのを首領が黙っていて1人で行ってしまった。


その事に腹を立てていた。



「あーもう！ あの子に何かあったらどうしてくれるんだい！！」


椅子に負のオーラを放ちながら座っていた幹部が勢いよく立ち上がった。


その時、扉が勢いよく開き人が入ってきた。

「おい！太宰は居るか！！」

「目の前にいるじゃん」

入ってきた人は太宰治の相棒 中原中也だ。

「Aが帰ってきたが花吹雪を使った上に部下を庇い大量出血で運ばれた。今すぐ医務室に行け！」

その瞬間、周りにいた部下達は固まった。

太宰は中原が言い終わる前にこの部屋を飛び出した

その目には不安しかなかった。



太宰にとって妹は唯一の家族で守らなければならない存在。そして生きる希望。


それはマフィアの皆にとってもそうだ。


太宰の妹 Aはいつも笑顔で部下思い

その為 マフィアの皆から愛されていた。






そして 暗殺術は軍を抜く


僅か12歳の少女には兄譲りの才能があった。





だが、





その兄は医務室に向かいながら自分を責めていた。

妹をこの世界に入れてしまったことを____。



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