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その72 ページ13

ぽたぽたと、その涙は俺の頬に落ちていく。

平助「オレはお前になにもできないんだ!なのに!お前は!自分のこと犠牲にばっかりして!」

平助「なのにオレはなにもできなくてっ!!こんなことしか言えねぇけど!」

ああ、まただ。胸が、熱く

平助「オレのために生きてくれ!ずっとずっと、傍にいてくれ!」

生きて、くれ。

『お前は生きていていい存在じゃない。それが、罪だ』

何度も言われてきたこの言葉。

だから、俺なんて別にどうだっていいんじゃないかっ、て。

どうせ死ねないんだからっ、て。

思ってた。

その時、失いかけていた何かが流れる音がした。

静かに、すぅっと。

「涙なんて、とうの昔に流しきったと思ってたのに」

生きてていいんだ。

俺は___、もう、私は、死に場所を探さなくていいんだね。

思い腕を持ち上げて、ごしごしと平助の顔をこする。

「こんな私で、いいのなら」

生まれて初めてだ、こんな気持ち。

胸が高鳴って、平助があったかくて。

なにより、優しく微笑む平助に見つめられるのがうれしかった。

好きだ。

好きに形はない。ただ、好きだ。

気づいたよ、平助。

平助「ありがとう。生きててくれて」

「私に、生きることを教えてくれて、ありがとう」





鬼と羅刹。


血だまりで重なる二人の影は、夕暮れに美しく伸びた。


今この世界には二人しかいない。


君と、私。


残された時間も、続く戦も、まだ何も行先は分からない。


ただ分かるのは、この雨上がりのぬくもりは、本物だってことだけ。









一緒に帰ろう、手を引かれて、さ____

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桜華(プロフ) - 壱月のてふさん» ありがとうございます!! (2019年6月16日 23時) (レス) id: 98b8c85960 (このIDを非表示/違反報告)
壱月のてふ(プロフ) - 今後、薄桜鬼ではないかもしれませんが、また新しい作品を書いていく予定ですので、どうぞよろしくお願いします! (2019年6月16日 17時) (レス) id: d5fc3d3395 (このIDを非表示/違反報告)
壱月のてふ(プロフ) - 桜華さん» 初めまして!返信が遅れてしまってすみませんm(_ _)mコメントありがとうございます!凄く嬉しいです!桜華様の言うとおり、読みは「ゆきな」です!「十鬼の絆」という薄桜鬼の過去の話のヒロインの名前からとらせて頂きました。 (2019年6月16日 17時) (レス) id: d5fc3d3395 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 結構前の作品にコメントしてしまってごめんなさい!もうほんとに感動しましたー!素敵な作品をありがとうございます!!ところで、夢主ちゃんの本当のお名前って「ゆきな」と読むのでしょうか…?2年も経っているのでお返事来ないと思いますが、待ってます…! (2019年2月11日 0時) (レス) id: 98b8c85960 (このIDを非表示/違反報告)
睦月(プロフ) - いずみんさん» 読んでいただけて嬉しいです!どんどん更新していきますね! (2017年8月15日 12時) (レス) id: 967e483124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2017年5月21日 19時

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